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12月13日-03号

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  1. 高知県議会 2022-12-13
    12月13日-03号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年 12月 定例会(第364回)-----------------------------------        令和4年12月13日(火曜日) 開議第3日-----------------------------------出席議員       1番  濱口涼子君       2番  槇尾絢子君       3番  桑鶴太朗君       4番  上治堂司君       5番  土森正一君       6番  上田貢太郎君       7番  今城誠司君       8番  金岡佳時君       9番  下村勝幸君       10番  田中 徹君       11番  土居 央君       12番  野町雅樹君       13番  横山文人君       14番  西内隆純君       15番  加藤 漠君       16番  西内 健君       18番  明神健夫君       19番  桑名龍吾君       21番  三石文隆君       23番  西森雅和君       24番  黒岩正好君       25番  依光美代子君       26番  大石 宗君       27番  武石利彦君       28番  田所裕介君       29番  石井 孝君       30番  橋本敏男君       31番  上田周五君       32番  坂本茂雄君       33番  岡田芳秀君       34番  中根佐知君       35番  吉良富彦君       36番  米田 稔君       37番  塚地佐智君欠席議員       17番  弘田兼一君       20番  森田英二君-----------------------------------説明のため出席した者  知事         濱田省司君  副知事        井上浩之君  総務部長       徳重 覚君  危機管理部長     中岡誠二君  健康政策部長     家保英隆君  子ども・福祉政策部長 山地 和君  文化生活スポーツ部長 岡村昭一君  産業振興推進部長   沖本健二君  中山間振興・交通部長 中村 剛君  商工労働部長     松岡孝和君  観光振興部長代理同部副部長             小西繁雄君  農業振興部長     杉村充孝君  林業振興・環境部長  豊永大五君  水産振興部長     松村晃充君  土木部長       荻野宏之君  会計管理者      池上 香君  公営企業局長     笹岡 浩君  教育長        長岡幹泰君  人事委員長      門田純一君  人事委員会事務局長  澤田博睦君  公安委員長職務代理者 小田切泰禎君  警察本部長      江口寛章君  代表監査委員     五百藏誠一君  監査委員事務局長   高橋慎一君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長       山本和弘君  事務局次長      横田 聡君  議事課長       吉岡正勝君  政策調査課長     田渕史剛君  議事課長補佐     杉本健治君  主幹         春井真美君  主査         宮崎由妃君-----------------------------------議事日程(第3号)   令和4年12月13日午前10時開議第1 第1号 令和4年度高知県一般会計補正予算 第2号 令和4年度高知県給与等集中管理特別会計補正予算 第3号 令和4年度高知県会計事務集中管理特別会計補正予算 第4号 令和4年度高知県土地取得事業特別会計補正予算 第5号 令和4年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算 第6号 令和4年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第7号 令和4年度高知県流域下水道事業会計補正予算 第8号 令和4年度高知県電気事業会計補正予算 第9号 令和4年度高知県工業用水道事業会計補正予算 第10号 令和4年度高知県病院事業会計補正予算 第11号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 第12号 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案 第13号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案 第14号 高知県旅券法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第15号 高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案 第16号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第17号 高知県建築基準法施行条例の一部を改正する条例議案 第18号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第19号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第20号 令和5年度当せん金付証票の発売総額に関する議案 第21号 高知県立人権啓発センターの指定管理者の指定に関する議案 第22号 高知県立高知公園の指定管理者の指定に関する議案 第23号 高知県立埋蔵文化財センターの指定管理者の指定に関する議案 第24号 高知県立足摺海洋館の指定管理者の指定に関する議案 第25号 高知県立森林研修センター研修館の指定管理者の指定に関する議案 第26号 四国カルスト県立自然公園公園施設の指定管理者の指定に関する議案 第27号 高知県立池公園の指定管理者の指定に関する議案 第28号 高知県立室戸体育館の指定管理者の指定に関する議案 第29号 高知県立甲浦港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案 第30号 高知県立手結港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案 第31号 高知県立塩見記念青少年プラザの指定管理者の指定に関する議案 第32号 高知県公立大学法人の出資等に係る不要財産の納付の認可に関する議案 第33号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第34号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第35号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第36号 県有財産の出資に関する議案 第37号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第38号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第39号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第40号 国道441号防災・安全交付金(口屋内トンネル(Ⅱ))工事請負契約の締結に関する議案 第41号 国道494号社会資本整備総合交付金(野瀧トンネル)工事請負契約の締結に関する議案 第42号 和食ダム本体建設工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 第43号 高知県土地開発公社の解散に関する議案 第44号 高知県公立大学法人定款の変更に関する議案 第45号 高知県公立大学法人に係る中期目標の制定に関する議案第2 一般質問   (3人)-----------------------------------   午前10時開議 ○議長(明神健夫君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △諸般の報告 ○議長(明神健夫君) 御報告いたします。 議員弘田兼一君から、所用のため、また議員森田英二君から、病気のため本日及び明14日の会議を欠席したい旨、それぞれ届出がありました。 次に、知事から、観光振興部長山脇深君が新型コロナウイルス感染症に係る濃厚接触者のため本日及び明14日の会議を欠席させ、同部長の代理として観光振興部副部長小西繁雄君を出席させたい旨の届出がありました。 次に、公安委員長古谷純代さんから、所用のため本日の会議を欠席し、公安委員小田切泰禎君を職務代理者として出席させたい旨の届出がありました。----------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(明神健夫君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「令和4年度高知県一般会計補正予算」から第45号「高知県公立大学法人に係る中期目標の制定に関する議案」まで、以上45件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問を併せて行います。 3番桑鶴太朗君。   (3番桑鶴太朗君登壇) ◆3番(桑鶴太朗君) おはようございます。自由民主党佐川町・越知町・日高村選出の桑鶴太朗でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を行わせていただきます。 濱田知事は、知事に就任して3年が経過しました。共感と前進を県政の基本姿勢として、県政の諸課題の解決に向け全力で進めてこられたと思います。先日の提案説明では、任期最後の1年は徹底して成果にこだわりながら、先々の県政にもつながるよう、取組をしっかり軌道に乗せる仕上げの年にしたい、またアフターコロナ時代の成長の原動力であるデジタル化、グリーン化、グローバル化という3つの潮流を先取りして進めてきた各施策を一層進化させると力強く意気込みを述べられました。 私も、県政運営においては、一県民、一事業者の視点を忘れずに、共感を得ながら、県民や事業者の皆さんにとって分かりやすい成果を出すことが大事であると感じており、またその難しさも日々痛感しているところです。コロナ禍や原油・物価高といった難しい状況の中、共感と前進を基本姿勢としながらさらなる成果を求めて取り組まれている各施策について質問させていただきます。 まず初めに、濱田知事がアフターコロナ時代の成長力の原動力の一つとして強化に取り組まれているデジタル化の促進状況についてお聞きします。 県のデジタル化の取組では、特に1次産業において目に見える形でデジタル技術の導入が進んでおり、農業分野では9月からIoPクラウドの本格運用が始まり、データ駆動型農業への本格的な転換に必要な基盤が整い、今後はクラウドのデータを活用しながら、燃油や肥料の投入量の可視化などにより収穫量の増加と経費の削減につながることが期待されます。1次産業においては、林業分野での森林クラウドや水産業分野での高知マリンイノベーションといった施策も強化されており、本県の強みでもある1次産業をデジタル化によってさらに進化させることができるものとして、とても夢のある取組だと思います。 また、2次産業、3次産業である商工業分野では、令和2年度から令和3年度にかけて、県内中小企業のデジタル化のきっかけとなるよう、デジタル化に取り組む意欲のある中小企業に対してデジタル化計画の策定や実行支援、社内の人材育成までを一貫して行う高知県中小企業デジタル化促進モデル事業が実施され、その取組の成果をまとめたDX推進ハンドブックを拝見させていただいたところ、県内の中小企業が目指すべきデジタル化の取組が分かりやすく示されるとともに、県内企業で、ある一定着実な成果が得られていることが分かりました。 例えば、コミュニケーションツールであるチャットツールの導入から業務改善を経て新たな市場価値を創出していくために順にステップアップしていくといった計画は、高知県におけるデジタル化促進モデルとしてとても分かりやすく参考になりましたので、引き続き県内中小企業に対してデジタル化促進の取組を進めていただきたいと思います。 一方で、私自身も勉強中ではございますが、ゼロからデジタル化の取組を始める中小零細企業にとりましては、デジタル化の内容を理解するためには一定の知識レベルが必要であり、モデルとなる事業所のような取組をすぐに行うことは相当難しいのではないかと感じています。私の稼業もそうですが、少人数で営んでいる製造小売業などでのデジタル化を考えてみますと、まだまだ敷居は高く、恩恵を感じるに至らない部分もあります。 小規模事業者でも中小企業でも、数で数えると1となると思いますが、決して同じ1ではありません。一人で社長から製造者までこなす小規模事業者にとっては、デジタル化に関する学びの時間や導入のための作業時間、導入費用の捻出など、越えなければならないハードルが多過ぎて、現状のアナログ路線を歩まざるを得ない状況にあります。比較的規模の大きな中小企業にとってはデジタル化による恩恵はとても分かりやすく、既にデジタル化の効果を実感している事業者も多いと思いますが、小規模事業者にとってはデジタル化に取り組む価値を共感するまでには至っていないのではないでしょうか。 今議会に提出されております補正予算案で、デジタル化に向けて新たに補助金を用意するとのことで、県内事業者にとってはとてもいいことだと思います。国のIT導入補助金については、私の事業仲間からも、ベンダーの探し方が分からない、使おうと思っても使いづらいといった声を聞きます。国の補助金とは違い、高知県だから実現できる使い勝手のいい補助金で、ぜひ多くの小規模事業者や中小企業へのデジタル化につなげていただきたいと願います。 そこで、事業者のデジタル化に向けたこれまでの支援状況と今後の取組の方向性について知事の御所見をお伺いいたします。 本年度から商工会連合会に配置されたデジタル化支援アドバイザーが、私も所属しています商工会や商工会議所を支援し、県内事業者のデジタル化に向けて取り組んでいただいております。 先ほどお話ししましたように、小規模事業者にとっては、デジタル化に決して取り組みたくないわけではありませんが、プライオリティーは高くなく、学びの時間や導入のための作業時間、導入費用の捻出など、様々なハードルによって阻害されている状況にあります。また、デジタル化に対して関心が低かったり苦手意識を持っている事業者もいます。 こういった、私も含めたアナログな事業者がデジタル化に取り組んでいくためには、デジタル化支援アドバイザーや高知県産業振興センターに配置されていますデジタル化推進コーディネーターだけで十分と言えるのでしょうか。実際に配置されています商工会連合会や商工会議所、産業振興センターなど、事業者のデジタル化を支援する組織間で意識の統一を行い、短期スパンで結果を求めるのではなく、中長期的に小規模事業者の意識改革につなげていただき、現場の状況や課題にしっかり耳を傾け、県内の事業者の明日につながるような取組にしていただきたいと思います。 そこで、こうした小規模事業者の支援をどのように行い、デジタル化につなげていくのか、商工労働部長にお聞きします。 また、デジタル化を進めていくためには、デジタルスキルを持った人材が必要になってきます。規模の大きな企業であれば、デジタル人材を抱え、専門部署を持てますが、中小企業や小規模事業者ではそういった人材を確保できません。 県では、都市部にいるIT人材を副業人材として活用する取組を進めていると承知しておりますが、そういった副業人材を活用する仕組みは、例えばデジタル技術等の専門スキルを持った人材を雇用するよりは安価に、必要なとき必要な期間だけ活用できるというようなメリットもあります。このため、中小企業や小規模企業者にとっても活用しやすいものであると考えておりますが、現在の県内状況においては、まだまだ副業人材といった言葉に苦手意識を持つ事業者も多いと聞きます。そういったマイナス要因を払拭し、ぜひ続けていっていただきたい取組であると思います。 そこで、IT副業人材の活用の現状と、今後どのように進めていくのか、商工労働部長にお聞きします。 次に、新型コロナウイルス感染症の影響についてお聞きします。 新型コロナウイルス感染症の最初の患者が中国の武漢で発症されて3年がたちました。我が国では、令和2年1月に最初の感染が確認されました。その後、新型コロナウイルスは変異を繰り返し、そのたびに感染者が増え続け、第7波では8月24日に1日当たり過去最高の感染者を我が県でも2,027人出しました。12月1日時点で11万4,000人を超えるまで増え続け、第8波の入り口に入りました。 繰り返し訪れる感染拡大の波に対応されています医療従事者の方々には頭が下がるばかりでございます。私の身近でも、コロナに感染した方から医療従事者の方々への感謝の言葉を聞くことが多くありますが、感染したときのエピソードを聞くことが多くなるにつれ、同時に、コロナ禍の医療体制や感染後の影響など、今後の不安や疑問を感じる声が多く届くようになりました。 そこで、コロナの後遺症での小児医療についてお聞きします。県内の4歳のお子さんのエピソードですが、家族とともにコロナに感染され、10日間療養された後に自宅に家族と共に帰ってこられ、保育園にも通園を開始していたのですが、二、三日後に胸が痛いと訴え、近くの医療施設を受診しました。当初は夏風邪かとも思われましたが、容体がよくならず、高知医療センターに紹介状を持っていき受診してもらうと心筋炎と診断され、高知県では治せないという診断でした。即時、岡山県の岡山大学病院に搬送し、何とか一命は取り留められましたが、治療に1か月以上を要したという事例がありました。 幼児にはめったにない珍しい症例だったこともありますが、こうしたケースのように高知県で治療できない幼児の病気の場合、せめて四国内での治療ができないものでしょうか。台風や大雨で瀬戸大橋など本州に渡る橋が通行止めになった場合などを想定すると、ドクターヘリも飛ばせません。せめて四国内で治療できるようにしていただきたいと願います。 今回のケースはコロナ感染後の後遺症と思われる事例でしたが、コロナに関わらず、本県の小児医療体制への不安を感じざるを得ない事例であると感じました。子を持つ同じ親として、高知県は子育てしやすい環境ではありますが、小児医療に関しては医療難民になってしまっているように感じてしまいます。 それでは安心して子供を産み育てられない、ますます少子高齢化に拍車がかかってしまうのではないかと危惧しておりますが、健康政策部長の小児医療に対してのお考えをお聞きします。 次に、教育分野への影響についてお聞きします。文部科学省が、2021年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果を10月27日に公表されました。経済的理由などとは異なる要因で30日以上登校せず不登校であった小中学生は、全国で24万4,940人と過去最多だったと発表されました。 文部科学省の調査では、運動会や遠足といった学校活動が制限され、登校意欲が下がったとの見方や、休校による生活リズムの乱れが戻らない事例の報告もあったとのことです。また、コロナ禍で登校に不安を抱いたり生活環境が不安定になったりしたことに加えて、オンライン授業などが広がったこともあり、登校しないことに抵抗が薄れたという指摘もあります。 本県においては、不登校の出現率が全国値を上回る数値で推移している中、国の調査結果と同様に、コロナ禍による行動制限といった要因が児童生徒に与える影響をどのように捉えているのか、またそうした要因が不登校にどのようにつながっていると現状を把握しているのか、併せて教育長にお聞きします。 また、同じ調査では、高校なども含めたいじめ認知件数が前年度比19%増の61万5,351件、不登校とともに過去最多だったとも発表されておりますが、高知県ではある一定高止まりを見せております。コロナ禍で人と人との距離が広がる中、不安や悩みを相談できない子供たちや一人で抱え込んだりする子供たちがいる可能性もあります。 人間関係や生活環境が変化した今、周囲の大人が子供たちのSOSに早期に気づくことやいじめが発生しない環境づくりがより重要になってくるものと思いますが、高知県の教育現場ではどのような対応を行っているのか、教育長にお聞きします。 さらに、コロナ禍においては、一時、多くの小中学校では臨時休校など、コロナ前とは同じ形で授業ができなかった期間もあり、保護者の視点からは、この影響で子供の学力が低下したのではないかと不安に感じる方が多いのではないでしょうか。 今年、全国学力・学習状況調査を、県内公立小中学校と義務教育学校、特別支援学校の280校、小学生約4,800人、中学生約3,900人、計約8,700人が受験し、小学校では国語が前回過去最高の7位でしたが、今回は13位、算数が前回8位でしたが、今回過去最高の4位となりました。中学校では国語が43位、数学に至っては46位と、過去最低に並ぶ順位でした。理科に至っては、小6、中3とも全国平均を下回っております。 こうした中、県内の市町村では、メディア使用時間がコロナ前に比べて3時間ほど増加しているといった調査結果があります。また、自宅に戻っても家族との会話も減り、携帯電話ばかり見るお子さんが増えているとも聞きます。 全てがコロナの影響と一くくりに捉えることはできないと思いますが、このように携帯電話に依存した状態となり、ゲームや動画視聴、またSNSなどの使用時間が増加していることが学力低下の要因につながっているのではないでしょうか、教育長にお聞きします。 また、こうした課題へ対応するためにも、幼児期の頃から基本的な生活習慣をしっかり身につけておくことが重要だと考えますが、県の取組について教育長にお聞きします。 次に、出会い・結婚支援についてお聞きします。高知県においても、高知県子ども・福祉政策部の「高知で恋しよ!!イベント」の実施や高知家の出会い・結婚・子育て応援団事業等を実施し、県内の人口減少に歯止めをかけるべく、出会いから結婚・子育てに至るまで一貫した支援を実施いただいていることと思います。 メディア等でも話題に上がっておりましたが、株式会社リクルート等がまとめている調査結果においても、恋活・婚活サイトや携帯アプリを利用しての結婚割合が年々上がっている実態があるようです。コロナ禍で、出会いという工程を必要以上に抑制された独身の皆さんの出会いの場、共通の話題で盛り上がることができる人たちのつながりを絶たれたと言っても過言ではない現状の状況も相まってのことかもしれませんが、パートナーと効率的に出会える手段としては今後さらに広がっていくのではないでしょうか。 そこで、三重県桑名市においても、独身男女の出逢いの機会創出等に向けた連携協定として、マッチングアプリペアーズで有名な株式会社エウレカとの提携を発表したニュースも皆様の記憶にあるのではと思います。昔から餅は餅屋というように、出会いに関して出会いのプロと協議していくということも有用な手段であると感じています。 こういった、男女の出会いを支援する株式会社エウレカと協定を結んだ三重県桑名市の取組に関する所見を子ども・福祉政策部長にお伺いいたします。 男女間の出会いというものは、直接お会いする前に婚活サイトや携帯アプリを利用し、相手との相性を事前に把握した上でお会いするといった時代になっておりますが、その上でトラブルも増加していると聞きます。偽の情報をアップし、実際にお会いしてみると全然違う方だったという事例も聞こえてきます。少子高齢化対策の観点からも、実際に男女がお会いしてからが大切だと感じておりますので、ぜひとも出会いの場が増えることを期待しております。 その中で、高知県においても様々な取組を様々な団体と行い、いろいろな場を提供している状態かとは思いますが、現在取り組んでいる事業での成果や、今後さらに出会い・結婚につながっていく取組や、それを実行していくために新年度以降計画している取組などを子ども・福祉政策部長にお聞きします。 次に、高知県の農業振興についてお聞きします。 高知県は、ナスやキュウリ、ピーマン、シシトウ、ニラ、ミョウガ、オクラ、ショウガなどの野菜のほかにも、メロンやスイカ、ブンタンやユズなどの果物も豊富で、全国的にも安心で安全な高品質に高い評価を受けております。これは関西圏でも売れ筋商品に入ってくるのではないかと期待が膨らむところでございます。中でも、ナス、ミョウガ、そしてショウガとニラ、シシトウは、生産量日本一を誇る特産品でございます。 その中で、本年度もショウガの価格が下がり、作れば作るほど赤字になると農家さんが苦しんでおられます。要因には、やはり原油の高騰、肥料の高騰、新型コロナが影響しているのではないかと思われます。畑にまく肥料代が高くなり、肥料をまくためやショウガを運ぶために動かす機材の燃料の高騰などが農家さんの経営を圧迫し、またコロナ禍で外食が減り、ショウガの消費が減少したことが要因とも思われます。ショウガの消費を増やすために、ショウガ農家さんの中でも、ショウガを加工品にし、シロップやたれなど付加価値をつけて販売される方もおられますが、全員が全員そういったことができるとは限りません。 日本一の生産量を誇るショウガなのに、このままだとショウガを作ることを諦める農家さんも出てくると思われますが、こういった農家さんを支援できる施策が必要だと感じています。特に、農業に夢や希望を抱き就農されました新規就農者の方の中でもショウガから入られた方は、毎年の価格下落で先が見えない状態に陥り、生活もできなくなっていると苦しんでおられます。新規就農者には、ここで農業を諦めてほしくはありません。例えば、メインはショウガでも、ショウガの価格が下落して生計が立てられなくなることを防ぐため、複数の品目で生計を成り立たせることが必要であると思います。 そこで、新規就農者には、価格の下落などのリスク回避の観点からも、複数品目での経営になるような指導策は考えられないのか、農業振興部長にお伺いします。 次に、連続テレビ小説らんまんを契機とした観光振興についてお聞きします。 最近は、ロシアのウクライナ侵攻など、物価高騰、資材の高騰、原油の高騰など、県民の生活に打撃を受ける暗いニュースばかり流れてくる中ですが、今カタールで開催されていますサッカーのワールドカップ日本代表のグループリーグでの快進撃は久々に明るい話題の一つだったと思います。残念ながら決勝トーナメント1回戦での敗退となりましたが、日本代表が戦う雄姿は世界中に大きな反響があったと思います。また、日本のサポーターの礼儀正しい行動が世界から称賛され、改めて日本の文化や伝統がいかに大切なものか知ることができる大会だったと思います。 また、我が県では、来春放送されます牧野富太郎博士を題材にした連続テレビ小説らんまんには、県内も観光振興に期待を寄せているところだと思います。牧野富太郎博士の生誕地佐川町でも、早くも観光客が増えてきており、昨年の同時期より3万人余り増えてきているとのことです。 ますます期待が膨らんでおり、様々なイベントも企画され、また町全体が植物園と捉え、まちまるごと植物園を各所に設けられています。何と95歳の方がこつこつと造園されている植物園もあります。佐川町の桜の名所でもある牧野公園では、ボランティアの方々やまもりたいのおかげで公園内がきれいに整備され保たれていることには頭が下がるばかりです。 これから仁淀川流域ではドラマへの期待は膨らんできておりますが、一方で幹線道路等の渋滞に心配をしております。週末はもちろんのこと、2月に仁淀川町で行われます秋葉様や10月の越知町のコスモスまつりなどが開催される時期になりますと、佐川町の桜座という施設から越知町の宮の前公園まで1時間余りかかることがあります。これでドラマロケ地巡りや聖地巡りに来られることを考えますと、幹線道路の渋滞が予想されます。 県は、幹線道路の渋滞緩和に対してどのような対策をお考えか、観光振興部副部長にお聞きします。 また、迂回路に使用されると思われます県道18号伊野仁淀線、国道194号から国道33号の間ですが、高知市から越知町のスノーピークのキャンプ場へ行く際、カーナビなどで検索をかけると、よくこの県道18号を通る道を案内されます。特に国道194号から国道33号の間の区間は、車の行き違いが困難な箇所が2か所ほどあります。 最近は、スノーピークのキャンプ場に訪れる方も多くなってきております。また、その地域に住まわれている住民の方の生活道路でもありますが、映画竜とそばかすの姫のときも聖地に訪れる方も多くいて、住民の方が日常生活をするのに大変御苦労なさったと聞いております。らんまんが放送されますと、やはり横倉山などを訪れる方が増えて、迂回路として使用されると思われます。 そこで、住民の方が安心・安全に暮らしていけますよう、以前から要望も多くあり、ある一定整備も進んでおります県道18号について今後どのように取り組んでいくのか、土木部長にお聞きします。 この項の最後に、らんまんの放送が放送期間前後の一過性のものにならないよう、地域の魅力を戦略的かつ継続的に発信することで、単発ではなく息の長いPRをすることが重要だと考えます。 放送終了後の観光振興策についてどのようにお考えか、この項を観光振興部副部長にお聞きします。 次に、スポーツ振興についてお聞きします。 越知町をホームグラウンドにしています高知県のおらんくチーム高知ファイティングドッグスが、今年の四国アイランドリーグで13年ぶりに年間総合優勝を果たしました。越知町、佐川町に拠点を移して12年が過ぎようとしており、拠点を移してからは初めての年間優勝になりました。 地元では、練習環境の整備や、体づくりの基本、食のほうでも精いっぱいチームを支援しております。選手もまた、地元に対して野球教室や農作業、また地元の美化活動にも積極的に参加しており、地元とチームのお互いが支え合ってここまで歩んできた結果のものであり、大変うれしく思います。 一方で、この高知ファイティングドッグスが練習や試合等で使用しています越知町のグラウンドの土が、雨などの影響も相まって減ってきている状況にあります。土が減ったことでベースが浮いてきていたり水が流れる道ができたりと、けがに直結しかねない状態になっており、土の入替えとともに、水はけのいいグラウンドに変えていく必要があると思われます。 町民グラウンドとはいえ、こういった状態のグラウンド環境を改善し、選手が安心して充実した練習ができる環境を整えることは非常に重要です。それがひいては好成績に結びつき、地域住民や子供たちのスポーツ参加の拡大や地域の活性化にもつながるのではないかと思います。 こうしたグラウンド環境の改善を含め、市町村が設置するスポーツ施設の整備について県として何らか支援できることはないのか、文化生活スポーツ部長にお聞きします。 最後に、前回の質問から1年余りが経過しましたが、柳瀬川の河川改修についてお聞きします。 柳瀬川河川改修事業は、昭和50年の台風5号による甚大な浸水被害を契機に、河川災害復旧助成事業の採択を受け、昭和50年度から昭和54年度までの5か年で、佐川町において支川を含む延長約36キロの河川改修を実施されたのが始まりだとお聞きしました。 仁淀川合流地点から6キロメートルの柳瀬川下流工区につきましても、昭和53年度に事業着手されましたが、下流地区においては理解が得られず、平成17年度に事業休止に至っております。その後、平成17年9月に仁淀川中流域水害対策推進住民会議が発足し、地区代表者と佐川町、越知町と県の4者により勉強会を重ねてこられ、河川整備の必要性について住民の皆様に理解をしていただきますよう御努力を重ねられ、平成25年6月には、佐川町長、越知町長の連名による事業再開の要望書が流域住民350名余りの署名を添えて県に提出され、平成26年度から交付金事業として再着手された経緯があります。 昨年の10月にも質問しましたが、1年余りが経過した柳瀬川の河川改修について、現在の進捗状況について土木部長にお聞きします。 また、台風や豪雨時の浸水の影響は深刻で、佐川町の平野地区や越知町の女川地区、柴尾地区、宮地地区の地域の医療・福祉をはじめとする住民生活に甚大な支障が生じています。住民の不安を一刻も早く解消する必要があると思います。農地が多い地域でございますので、こんなにつかるのならこの地域での農業は諦めないかんといった不安の声も聞こえてきます。 この地域で暮らす皆様のためにも、なお一層のスピード感を持って推進していくために対処すべき課題はどんなことが挙げられるのか、土木部長にお聞きします。 また、柳瀬川の左岸側の地権者には今成地区の住民の方が多数おり、柳瀬川の改修による今成地区の田畑の流出などを心配されています。越知町からも県議会に対して、今成地区の護岸改修について要望がありました。昨年、「再び、濱田が参りました」のときに、越知町長からも濱田知事に直接現地で要望されたと聞きました。 今後、柳瀬川改修の影響を心配する今成地区の住民の不安を解消し、左岸側の用地買収を円滑に進めるための取組について土木部長にお聞きします。 また、河川改修を進める上で、川にすむ希少種の生き物やアユなど川魚の生態系を崩さないようしっかり対策して進めていただけますよう要請して、私からの第1問とさせていただきます。   (知事濱田省司君登壇) ◎知事(濱田省司君) 桑鶴議員の御質問にお答えをいたします。 事業者のデジタル化についてお尋ねがございました。 都市部との距離的ハンディなど課題の多い本県だからこそ、またコロナ後の社会経済構造の変化への対応を図るためにも、あらゆる企業がデジタル化に取り組むことが大変重要だというふうに考えております。 このため、令和2年度から県内企業におきますデジタル化のモデル事例を創出する事業を行いまして、本年度からは他の企業や団体への普及啓発に取り組んでいる、そういう段階でございます。また、昨年4月には産業振興センターに、本年4月には商工会連合会にそれぞれ専門の人材を配置いたしまして、県内企業のデジタル化の取組を後押しする体制を整備いたしました。 加えて、高知デジタルカレッジにおきまして、一般企業の経営者あるいは従業員を対象といたしましたデジタルに関する知識、技術を学ぶ講座を拡充するといった形で、人材育成にも取り組んでまいったところであります。 こうした取組の結果、産業振興センターなどからデジタル化の伴走支援などを受けます事業者が本年の11月末の時点で66社となるなど、徐々に広がりを見せてきております。この広がりをさらに大きな流れにしていくためには、県内の事業者のおよそ88%を占めます小規模事業者への対応が重要になってまいります。 このため、商工会連合会に配置をしております専門人材を中心といたしまして、産業振興センターや商工会など多くの関係者と一層連携をして、小規模事業者に寄り添った支援を進めてまいります。こうした取組によりまして、例えば作業のペーパーレス化ですとか勤務シフトの自動作成などといった業務の効率化、省力化に資するようなITツールの導入を促してまいります。 加えまして、さらにこうした段階から一歩進めて新たな価値を生み出すためのデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを見据えた先進的な取組を行います企業への支援も必要だというふうに考えております。このため、県独自の補助制度の中に、こうしたDXを支援するための加速枠を設ける補正予算案を今議会に提案させていただいております。この加速枠により、例えば一例でありますけれども、機械の故障の発生のタイミングをAIを使って予測いたしまして、事前に部品交換を促すといったような新たな保守サービスの開発などといった先進的な取組に挑戦をいたします企業を後押ししてまいりたいと考えております。 こうした一連の取組を通じまして、県内企業におきますデジタル技術活用の量的な拡大、言い換えますと裾野を広げていくという努力と、質的な向上、より先進的なDXを目指していく部分、この双方を推進してまいりたいというふうに考えております。 私からは以上であります。   (商工労働部長松岡孝和君登壇) ◎商工労働部長(松岡孝和君) まず、小規模事業者の支援をどのように行い、デジタル化につなげていくのか、お尋ねがございました。 先ほど知事からお答えしましたように、今後県内企業のデジタル化を量的に拡大していくためには、県内全体のおよそ88%を占める小規模事業者のデジタル化をいかに進めていくのかがポイントになってくるものと認識しております。あわせて、小規模事業者は、議員からお話がありましたように、一般的に経営資源が不足しがちであることから、興味や必要性を感じていてもなかなか具体的な行動に移ることが難しいといった課題があるとも認識しております。 このため、地域の最前線で事業者に寄り添った支援を行う商工会などの経営指導員の支援力の向上に引き続き努めてまいります。また、デジタル化による効果や事例をしっかりと分かりやすくお伝えすることで、機運の醸成にも取り組んでまいります。例えば、最近利用が増加しておりますタブレットやスマートフォンをレジ代わりに活用し、売上分析が容易にできる低料金のサービス、あるいは会計ソフトの導入による業務の効率化やコスト削減につながった県内での生の支援事例などを紹介していきたいと考えております。さらには、商工会連合会に配置している専門人材の体制の強化についても検討してまいります。 また、本議会に提案させていただいております新たな補助制度は、国の制度では補助対象とされていないパソコンの購入や社内ネットワークの整備などについても対象とすることにしております。商工会などと連携しながら、特にこれからデジタル化の取組を始めようとする事業者に積極的な活用を促してまいります。 今後も、商工会などとより連携を密にしまして、小規模事業者がそれぞれの規模や業態に応じたデジタル化を進めていくことができるように取り組んでまいります。 次に、IT副業人材の活用の現状と今後どのように進めていくのかについてお尋ねがございました。 議員からお話のありましたように、県では、都市部の企業に在籍し高いスキルを有する人材を副業といった形で受け入れ、県内企業のデジタル化など経営課題の解決につなげるための取組を昨年度から実施しております。具体的には、機運の醸成のためのセミナーの開催や、直接企業を訪問しデジタル化などに関する課題やニーズをお伺いした上で、副業人材の活用に関する提案を行っております。その上で、副業人材を活用しようとする企業については、副業を希望する人材とのマッチングの支援も行っております。 これまでに延べ20社において副業人材が活用され、このほかにも12社で活用に向けた準備が進められているところですが、その取組はまだまだ少ない状況です。これは、副業人材の活用そのものが県内では一般的になっていないことから、活用をためらう企業が多いことが原因となっております。このため、今後はより多くの事業者に活用いただくよう、副業人材の活用の取組に併せて、活用によって得られる効果もしっかりと周知していく必要があると考えております。 これまでに副業人材を活用した企業からは、給与面などから雇用することが難しい専門的なスキルを有する人材を活用できたことで、業務の改善や経営課題の解決につながったとのお声のみならず、社員の学びや気づきにもつながったなどといった前向きな評価をいただいております。こうした声をセミナーやホームページなどを通じて広く紹介し、副業人材の活用や得られる効果の理解促進を図ることで、より多くの企業に活用いただけるよう取り組んでまいります。   (健康政策部長家保英隆君登壇) ◎健康政策部長(家保英隆君) 小児医療に対してのお尋ねがございました。 本県では、地域において一般的な小児医療を担う一次医療機関、入院を要する小児救急医療を担う二次医療機関、高度な専門医療を担う三次医療機関が受療体制を構築し、それぞれ連携して診療に当たっていただいております。また、休日、夜間の対応については、あんしんセンターでの外来診療に加え、入院対応を担う医療機関の輪番体制を構築することにより24時間対応が可能であり、こうした医療体制により、小児の疾患のほとんどは県内で治療が可能と考えております。 一方、小児医療に限らず、高度な専門医療の分野に関しては、本県のような人口の少ない地域では、例えば生体肝移植、それから小児の心臓手術など、当該患者さんの数が少ない医療分野では対応できる医師が確保できない状況にございます。また、仮に医師を招聘できたといたしましても、腕を振るう患者さんがいませんと、すぐに腕を振るえるような県外の医療機関に転出してしまい、元の状態に戻ってしまいます。 そのため、そのような疾患に対しては、県内専門医療機関が、四国、中四国、西日本といったより広域での医療機関と連携し治療に当たることになっており、今回のケースも、医療連携が最もよく取れる医療機関に転院していただくことになりました。患者さん、御家族から見れば、結果として県外における治療となりますが、患者さんの治療を最優先した対応として御理解いただきたいと思います。 今後とも、できるだけ幅広い領域で県内で医療が完結できるよう、小児医療の充実に向けて、小児科医師の確保の取組や専門医療のレベル向上への支援を行うとともに、小児科医会や小児科医師などで構成します高知県小児医療体制検討会議の御意見も伺いながら、体制強化に取り組んでまいります。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) まず、コロナ禍による行動制限の影響と不登校へのつながりについてお尋ねがございました。 新型コロナウイルス感染症により、学校では長期間の休業があり、また様々な学校行事が中止、縮小されております。さらに、マスクの着用や黙食など多くの制限がある学校生活を子供たちは送ってきました。 こうした中で、学校からは、子供同士の関わりが減少し人と関わる力が弱まっている、また何かをやり遂げるという経験が少なくなり、自信が持てなくなったり活動意欲も減少しているといった声が上がっております。コロナ禍の学校生活は子供の心身の健全な発達に大きな影響を及ぼしているものと考えます。 国は、お話のありました調査結果を基に、環境の変化による生活リズムの乱れや様々な制限の中での交友関係の弱まりなどが、登校する意欲の減退をもたらし、全国的に不登校が増加する背景の一つとなっていると述べております。 本県におきましても、全国と同様に、長期に欠席する児童生徒が増加している状況があります。コロナ禍による学校生活や日常生活の環境の変化が子供の心や行動に影響し、不登校の増加につながっているものと捉えております。 次に、いじめが発生しない環境づくりなどに対する学校の対応についてお尋ねがございました。 国は、今回のいじめの認知件数の増加要因の一つとして、部活動や学校行事などが徐々に再開されるなど、子供同士の接触機会が増えたことを挙げております。コロナ禍前の学校生活に戻りつつあり、交友関係も広がりを見せる状況にあって、今後子供間でのトラブルの増加も想定され、いじめの早期発見や未然防止などの取組がより一層重要になるものと考えております。 現在、主体的・対話的で深い学びが推進される中で、学校においては、子供同士が関わり合い協力し合う学びを重視した取組を進めております。また、1人1台端末により、きもちメーターを活用し、子供の状態の早期の把握に努めるとともに、気になる子供についてはスクールカウンセラーが面接を行ったり、校内支援会で組織的な対応を検討し、また実施したりしております。 さらに、今月には国から改訂生徒指導提要が発表されております。この中では、いじめを生まない環境づくりやいじめをしない態度、能力の育成に重点を置く生徒指導の重要性が述べられており、県教育委員会としましても、今後この方針に沿ったいじめ予防の取組が各学校において進むよう周知し、徹底を図ってまいります。 次に、ゲームやSNSなどの使用時間の増加が学力低下の要因になっているのではないかとのお尋ねがございました。 本年度の全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査におきまして、平日1日当たり4時間以上ゲームを行っている児童生徒の割合は、コロナ禍前の平成29年度の約10%から約20%へと倍増していることが明らかになっております。加えて、動画視聴やSNSを長時間使用している実態も明らかとなっております。これらの結果を学力との相関で見てみますと、ゲームやSNSなどの使用時間が長いほど、国語、算数・数学、理科、いずれの教科においても正答率が低い傾向にあり、学力に少なからず影響を与えているものと考えております。 このような状況を改善していくためには、児童生徒や保護者が、スマートフォンなどの長時間使用が心身の発達や学力に与える影響について正しい認識を持つとともに、家庭や学校で使用に関するルールをつくる話合いや取組を行っていくことが必要であると考えております。 最後に、幼児期からの基本的生活習慣の確立に向けた取組についてお尋ねがございました。 子供たちの健やかな成長のためには、心も体も著しく発達する幼児期から必要な生活習慣を身につけておくことが大変重要であると考えております。このため県教育委員会では、幼児期からの基本的生活習慣を確立することの重要性を保護者の方々に理解していただくための啓発や研修を行っております。 具体的には、毎年、生活リズムが次第に整ってくる3歳児や就学を控える5歳児の保護者に対し、規則正しい生活習慣を育むポイントを記したパンフレットなどを配付しております。また、スマートフォンなどの長時間使用が子供の心身に与える影響やその適切な使い方を考える保護者向けの研修も実施しており、昨年度は900名余りの方の御参加をいただきました。本年度は、こうした内容の動画を作成し、広くSNSで配信していくこととしております。さらに、4・5歳児と小学生に対して生活リズムチェックカードを配付し、子供たちが自らの生活習慣を振り返ることにも取り組んでおります。 今後も、こうした取組を通じて幼児期から望ましい生活習慣を身につけられるよう取り組んでまいります。   (子ども・福祉政策部長山地和君登壇) ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) まず、民間企業と出会い支援の連携協定を結んだ三重県桑名市の取組についてお尋ねがございました。 議員からお話がありましたとおり、コロナ禍やSNSの拡大など社会の変化に伴い、出会いのきっかけも大きく変化をしております。令和3年の国の出生動向基本調査では、夫婦が知り合ったきっかけの13.6%がアプリ等のインターネットサービスとなっており、今後も増加することが見込まれております。 こうした中、三重県桑名市では、出会いの機会の創出などを目的に、マッチングアプリを運営する株式会社エウレカと今年11月に連携協定を締結したとお聞きしております。社会の変化に応じて、若者の考えや気持ちに寄り添った施策を展開するため、専門的な知見やノウハウを持つ民間事業者と連携し、若者の価値観やニーズに応えようとする桑名市の取組は、大変重要な視点だと受け止めております。 本県におきましても、当事者である若い世代の声を少子化対策に反映するため、昨年度から高知県少子化対策推進県民会議に若い世代部会を設置し、具体的な取組を展開しております。今年度は、部会の発案により、出会いを身近に感じられる動画の制作や、異業種の交流を目的としたイベントの実施などに官民協働で取り組んでいるところです。 引き続き、少子化対策推進県民会議との連携を強化するとともに、民間事業者の専門的な知見やノウハウをイベント等に積極的に活用していくなど、社会の変化を的確に捉え、若い世代の声を反映した少子化対策を推進してまいります。 次に、現在の出会い・結婚支援事業の成果と今後の取組についてお尋ねがございました。 県では、こうち出会いサポートセンターによるマッチングや出会いイベントへの支援、婚活サポーターによる地域における支援など、出会いの機会の創出に取り組んでおります。また、今年度は官民協働による広報プロモーションを展開し、出会いに関する支援策の情報発信を強化しております。 議員のお話にありましたように、マッチング等で出会った後にトラブルが生じることのないよう、出会いの後のサポートも大切です。そのため、出会いサポートセンターでは、相談員が一人一人に寄り添った相談対応を行っており、昨年度のお引き合わせ件数は363件、交際成立は176組となっております。 また、地域では独身者の出会いをボランティアで支援する婚活サポーターの方々に活躍いただいており、昨年度は490件のお引き合わせを行い、120組を交際につなげるなど、多くの方に出会いの機会を提供しております。 さらに、10月から広報プロモーションを展開した結果、「高知で恋しよ!!応援サイト」のアクセス数が大幅に増加するとともに、11月に少子化対策推進県民会議と共同で開催した異業種交流イベントでは、運営に当たり様々な民間団体の皆様に御協力をいただき、参加者からも大変好評を得ております。 今後の取組につきましては、社会の変化を捉え、若い世代のニーズに応える施策の展開に努めてまいります。具体的には、今年度の県民意識調査で意見が多かった、マッチングを直接の目的としない交流イベントを拡大するなど、出会いを求める方のニーズに合った出会いの機会の創出にしっかりと取り組んでまいります。   (農業振興部長杉村充孝君登壇) ◎農業振興部長(杉村充孝君) 新規就農者への支援策についてお尋ねがございました。 生産量日本一のショウガをめぐる情勢は、お話にありましたように、業務需要の減少などによる価格の下落に加え、肥料高騰などの生産コストの上昇も重なり、ショウガで新規就農された農家からは経営が厳しいといった切実なお声を聞いております。一方で、新規就農者の中には、ショウガをメインに栽培しつつも、ピーマンやオクラ、キャベツなどの品目と組み合わせて周年で複数品目を栽培することで経営の安定化を図っている方もおられます。 こうした事例を踏まえますと、議員御指摘のとおり、価格の下落などに対するリスク回避の観点からも、複数品目による営農は経営安定を図る上でも有効な方策であると考えております。このため、経営に不安を感じている新規就農者の方が新たに複数品目に取り組む際には、地域の指導農業士の協力もいただきながら、農業振興センターをはじめとする関係機関が連携し、栽培技術の習得支援はもとより、経営支援も行ってまいります。 加えて、今般のような価格の下落のほか、自然災害といった農業経営上の様々なリスクに備えるために、収入保険制度への加入促進など、新規就農者が安心して営農に取り組むための環境整備にも努めてまいります。 今後も、本県農業の将来を担っていただく新規就農者の皆様の経営の安定化を図り、希望を持って営農を継続できるよう、県としてもしっかりと支援してまいります。   (観光振興部副部長小西繁雄君登壇) ◎観光振興部副部長(小西繁雄君) まず、連続テレビ小説らんまんの放送に伴う仁淀川流域の幹線道路の渋滞に対する緩和策についてお尋ねがございました。 博覧会においてメインエリアとなる佐川町と越知町では特に渋滞が予想されることから、これまで両町と共に渋滞緩和策につきまして検討を進めてまいりました。検討に当たっては、渋滞対策に加え周遊促進や滞在時間の延長といった面からも、2つの町がそれぞれに対策を打つのではなく、一体的な対策を講じていくことが効果的と考え、双方を巡る循環バスを運行することといたしました。 具体的には、佐川町と越知町の双方に大規模な臨時駐車場を設置し、横倉山や佐川の上町地区などで自由に乗り降りできるようにする予定です。また、公共交通機関での来訪者への対応や地域への経済波及効果といった点から、JR佐川駅や観光物産館おち駅などにも立ち寄りできるようなコース設定を考えております。 こうした取組により、渋滞の緩和はもとより、周遊の促進や観光消費の拡大にもつなげてまいります。 次に、らんまん放送終了後におけるPRの継続についてのお尋ねがございました。 らんまんの放送は半年間で終了いたしますが、これに合わせて実施する観光博覧会「牧野博士の新休日~らんまんの舞台・高知~」は、再来年3月までの1年間を予定しております。現在、博覧会の開催に向けまして、地域の草花スポットの磨き上げや、草花を中心とするガイドプログラムの作成など、受入れの準備を進めています。まずは、こうした四季折々の地域ならではの魅力を、博覧会の期間を通じてしっかりと売り込んでいきたいと思います。 ドラマ効果を一過性に終わらせないことは大変重要なことと認識しており、博覧会終了後も、牧野博士ゆかりの地やドラマのロケ地巡りなど、ドラマに関連する地域の情報発信を続けていきたいと考えております。 このたびのドラマ放送は、関係する皆様による誘致活動のたまものであり、このチャンスをフルに活用して、地域の観光振興に長くつなげられるよう取り組んでまいります。   (土木部長荻野宏之君登壇) ◎土木部長(荻野宏之君) まず、県道18号伊野仁淀線の整備について今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。 県道18号伊野仁淀線は、地域住民の日常生活を支える重要な路線であるとともに、仁淀ブルーと言われる仁淀川の観光資源を生かしたキャンプ場や、昨年公開されました映画竜とそばかすの姫の聖地へのアクセス道にもなっております。また、来春から放送される連続テレビ小説らんまんを契機に、仁淀川流域を訪れる県内外の観光客が当路線を利用することも想定されます。 しかしながら、当路線は道幅が狭く、車の行き違いが困難な区間があり、地域住民の方も含め御不便をおかけしていることから、現在県では未改良区間の整備を進めているところです。 当路線の整備に当たりましては、急峻な地形のため現道拡幅が難しいことから、バイパスによる整備に取り組んでおりますが、完成までには一定の期間が必要となってまいります。このため、当面の対策として、昨年カーナビゲーションの地図メーカーに対しまして、道幅の狭い当路線への誘導を行わないよう要望し、メーカーからは、既に一定対応できている、今後対応していくとの回答をいただいているところです。 一方、バイパス整備につきましても、地元関係者との調整などを行いながら、一日も早い完成に向けましてしっかりと取り組んでまいります。 次に、柳瀬川の河川改修における現在の進捗状況についてお尋ねがございました。 平成26年に再着手した柳瀬川の河川改修は、全体の延長約6キロメートルを7区間に分割し、現在仁淀川との合流点から上流へ900メートルの区間で事業を実施しております。この区間では、これまで右岸側の用地買収を進め、工事に必要な用地全145筆のうち142筆の買収が完了いたしました。来年度からは右岸側での掘削工事に着手するよう、年度内に工事車両が進入するための仮設道路の設置工事を発注する予定でございます。なお、未買収となっている残りの3筆につきましては、早期に買収が完了するよう、越知町の協力を得ながら交渉を進めてまいります。 次に、なお一層のスピード感を持って推進していくための課題についてお尋ねがございました。 この河川改修事業を推進していくためには、大きく2つの課題がございます。まず、1つ目の課題は、河川改修により大量に発生する掘削土砂の処分先の確保であります。現在、越知町内には、この土砂を有効利用できる公共工事や受入れ可能な残土処分場がございません。町外の有料残土処分場へ搬出することになれば、工事費用が増大し、事業の遅延につながることから、近隣での処分先の確保が重要となります。2つ目の課題は、先ほど申し上げました3筆の用地買収ができていないことでございます。 いずれの課題に対しましても、越知町の協力を得ながら、解決に向けて取り組んでまいります。 最後に、今成地区の住民の不安を解消し、左岸側の用地買収を円滑に進めるための取組についてお尋ねがございました。 柳瀬川の河川改修に必要となる左岸側の土地の一部については、今成地区の方が所有されております。今成地区は柳瀬川と仁淀川との合流点から下流に位置するため、地区の方からは、柳瀬川の改修の影響により田畑が流出することについて心配する声を従前からいただいております。 県では、こうした声を踏まえまして、柳瀬川の改修に伴う今成地区への影響について解析を行った結果、影響はほぼないということを確認しております。今後は、地元説明会などを通じて、この解析結果を丁寧に説明するとともに、地元の御意見もお聞きしながら、どのような対応が可能か検討してまいります。   (文化生活スポーツ部長岡村昭一君登壇) ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 市町村が設置するスポーツ施設の整備への支援についてお尋ねがございました。 本県がスポーツ推進計画で掲げておりますスポーツ参加の拡大、競技力の向上、スポーツを通じた活力ある県づくりの実現に向けましては、県内の各地域における活動基盤となるスポーツ施設の充実は重要な取組の一つであると認識しております。他方、県内には約250の多種多様な市町村立のスポーツ施設が設置されておりますが、これらの施設の整備に対し、県が広く財政的な支援を行うことは困難であると考えております。 これらを踏まえ、県といたしましては、市町村が行う施設整備の中でも、競技力の向上に寄与しスポーツツーリズムの推進にもつながるなどの条件を満たすものに限り、平成30年度に創設しました高知県スポーツ推進交付金による支援を行っております。また、地域住民の方々の身近なスポーツ活動の場となる施設の整備など、この交付金の対象とならないものにつきましても、独立行政法人日本スポーツ振興センターによる支援制度であるスポーツ振興くじ助成金の活用などについて助言を行っているところであります。 今後におきましても、スポーツ施設の整備に関する市町村からの御相談には、当該施設整備の目的、内容、見込まれる効果などを詳細にお聞きしながら、活用可能な支援策の検討などを行ってまいります。 ◆3番(桑鶴太朗君) 執行部の皆様、それぞれ丁寧かつ真摯にお答えいただきありがとうございます。 2問目はいたしませんが、デジタル化促進について、特にアップデートの早いIT分野においては、見極めも含めて難しく、私自身も学びながらトレンドを追っておりますが、追いつくことが精いっぱいの状況です。 小規模事業者の中でも、特に情報は必要なことであります。しかしながら、続いて必要となる人、物、金については、簡単に手に入るものではありません。県や各種支援団体等から情報を得ることができたとしても、実行するにはお金が必要となり、補助金を活用するにしてもお金が必要となります。 小規模事業者は、デジタル化を目的としているのではなく、持続的に事業を継続していくことが目的であり、そのためにデジタル化に取り組んでいかなければならないと考えています。そういった小規模事業者のデジタル化の取組がしっかりと進むよう、引き続き歩みを合わせ、伴走的に支援をしていただくとともに、デジタル化につながる支援を行っていただけることをお願いしまして、私の一切の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 暫時休憩いたします。   午前11時17分休憩-----------------------------------   午後1時再開 ○副議長(西内隆純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 37番塚地佐智さん。   (37番塚地佐智君登壇) ◆37番(塚地佐智君) 私は日本共産党の立場から、以下質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。 まず、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 第8波が現実味を帯び、特に年明けにピークを迎えるのではないかとの予測が報じられています。今後、インフルエンザの同時流行が懸念され、再び発熱外来の逼迫などが想定されるとして、県は、感染に備えた抗原検査キットや薬などの備蓄をとホームページのトップで県民に呼びかけています。 そのページでは、まず、発熱やせきなどの症状が出た場合に御自身で確認ができるよう、医薬品として承認をされた抗原検査キットでの検査を求めた上で、陰性確認後、発熱外来以外の医療機関で受診ができるとしていますが、この記載は、検査キットで陰性確認を行わなければ発熱外来以外の医療機関が受診できないとも解釈ができます。 そもそも、発熱など症状があれば医療機関で診察を受け、早期発見、早期治療が行えるという国民皆保険の制度の根本が、コロナ感染爆発でなし崩しになっていることは重大問題だと思います。検査キットや医薬品も備蓄をしておくようにとの要請に至っては、医療保険の被保険者の権利を侵害するものと言っても過言ではありません。 医療的ケアに不可欠な物品や薬は、本来、公的保険で診療、投薬すべきではないのか、知事の認識を伺います。 さらに、県のホームページでは、備蓄している抗原検査キットで陽性となった場合は次のとおり対応をお願いするとして、65歳以上、12歳以下、妊婦、基礎疾患がある、症状が強く医療機関の受診を希望する方などは検査協力医療機関を受診してくださいと書かれており、検査キットの自己検査が前提と読めます。 一方、11月17日の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で示された対策では、65歳以上、12歳以下、妊婦、基礎疾患があるなどリスクの高い方などについては、検査キットの自己検査を経ずに速やかに受診できる。対する64歳以下などの方は、発熱した場合、検査キットで陰性が証明されればインフルエンザの可能性があるとして受診できると読み取れる記述となっています。 県はかねてより、65歳以上や子供、妊婦、基礎疾患のある方は抗原検査を必要とせず発熱外来を受診できると説明されていたと認識しており、ホームページの記載内容については担当課に指摘もさせていただいているところですが、県としてどのような基本方針なのか、いま一度、健康政策部長にお伺いをいたします。 第7波の際は抗原検査キットの配付事業がありましたが、今回は購入が求められ、2,000円前後で販売されています。今回の方針を受け、ある母子家庭の方から、1個2,000円もする検査キットを家族分買うとなると1週間分の食費がなくなる、物価高でこれ以上生活費を削ることもできないのに食品の備蓄なんてできるはずがないとの訴えや、障害がある子供さんと御自身も糖尿病などの基礎疾患がある中でも働きながら生活保護を受けている方も、検査キットの購入費は私たちにとっては高額な買物です、診察を受け投薬してもらえれば医療保護の対象になるが、薬屋で購入するのは保護費から出ないので手が出せないとの声が寄せられています。発熱しても、自ら購入した検査キットでの検査結果がなければ受診できないというシステムは、経済的弱者を医療から排除する非道なシステムになるのではないでしょうか。 これまでどおり、希望する方に抗原検査キットを郵送する方法を講じるべきだと考えますし、少なくとも生活保護受給者をはじめとする経済的に厳しい方々に対する検査キットの購入費については具体的な措置を講じるべきだと考えますが、知事にお伺いをいたします。 県は、新型コロナ対応ステージを警戒強化に引き上げました。会食は可能な範囲で規模縮小、時間短縮、また高齢者等の重症化リスクの高い方は感染リスクが高い場所への外出は控えるなどの対応を県民に求めています。第8波の拡大期が年末年始の書き入れどきと重なり、県からの求めにも伴って、小売店、飲食業など小規模事業者、個人事業者への悪影響が危惧をされます。 新事業チャレンジ支援事業費補助金は設備投資が必要で、その下限が50万円であり、小規模な事業者には活用のハードルが高いと言えます。新事業への挑戦支援はもちろん重要ですが、同時に、地域経済を支える小規模事業者、個人事業者の事業継続も本県の産業振興にとって死活問題です。中根議員の代表質問でも示したとおり徳島県、また北海道なども独自の支援金を設けています。 年末にかけ、倒産、廃業が懸念をされる小規模事業者、個人事業者への支援の必要性をどう考えておられるか、またその事業継続を図るために、原材料費や光熱費などの上昇、また売上減少を補填する支援金などを検討するとともに、国へも要望すべきと考えますが、商工労働部長にお伺いをいたします。 次に、コロナ禍における学生支援についてお聞きをいたします。 第7波では、学生の感染も多く、特に県外出身で一人暮らしをしているなど、頼るところがない大学生が、民間のボランティアに医薬品や食料の配送など支援を求める状況が生まれました。これを教訓に、第8波では、学生に対し公的な支援が届くようにする必要があります。 まず1点目は、学生が発熱した際の検査・医療アクセスの問題です。先ほど述べたように、発熱した際に抗原検査キットや1週間分の食料、医薬品などの備蓄が求められています。物価高騰も受けて、学生向け食料配付で食料を受け取る学生も再び増加傾向にあると聞いています。このような状況の中で、全ての学生が抗原検査キット、食料、医薬品等を備蓄できるとは思えません。また、基礎疾患などのない若年層は、症状の強い場合に限って医療機関を受診することとなっています。必要な医療にかかれない学生が生じることが強く懸念をされ、急激な状態悪化など不測の事態が起こりかねません。 取り残される学生を生み出さないため、日常的に学生と接し、住所、連絡先等も把握し、相談窓口等も開設をしている所属大学等において支援できるスキームが必要なのではないかと考えます。具体的には、大学等による学生への抗原検査キットの配付や、大学内の保健管理センター等を活用し学生に医薬品を処方するなど、学生が医療的ケアにアクセスできる体制整備が必要です。 大学が学生用に抗原検査キットを確保するための財政支援を行う考えはないか、また学生への医療的ケアを含めた大学内の支援体制を構築していただくよう個別具体的に協力を要請する考えはないか、文化生活スポーツ部長にお聞きをいたします。 2点目は、日常的な食料支援の問題です。コロナ禍に物価高騰が重なったことで、学生の生活状況の悪化が続いています。私たち日本共産党県議団は、11月24日に政府要望を行い、文科省とコロナ禍の学生支援について交渉をしてきました。文科省からは、大学に対し、経済的に困難な学生等に対するきめ細かな支援についての依頼文書などの事務連絡も行い、学生支援を要請しているとの回答がありました。 また、日本学生支援機構が、学生支援寄附金を活用し、新型コロナウイルス感染症対策助成事業(食に対する支援)を創設、大学等が学生に食費等の費用を支援する取組に対し経費の2分の1を助成するため16億円を予算化しているが、約4,000校の対象に対し、2021年度決算306校、約2億円の活用にとどまっているとの回答もありました。 県内大学等においてこの助成事業を活用した事例があれば、その学校と支援内容について、文化生活スポーツ部長にお聞きいたします。あわせて、活用していない学校については、その理由についてもお聞きをいたします。 この助成事業の来年度の継続を要望するとともに、活用を促すために県内大学等に強く要請する考えはないか、文化生活スポーツ部長にお聞きをいたします。 次に、森林作業道について伺います。 高知県の発展は中山間地域の発展にかかっており、その主たる産業は県土の84%を占める森林林業の振興です。県も産業振興計画に位置づけ、原木の増産体制等に取り組んでいます。 原木生産を加速させる上で、林道、作業道の開設は必要な施策です。しかし、昨年12月議会で我が党の米田稔県議が指摘をしたとおり、皆伐後の山地崩落や、林道、作業道を起点とする土砂災害も引き起こされています。先日、いの町の山間地の方から、急傾斜地崩壊危険区域の裏山に造られた作業道から複数の崖崩れが生じていることに対する今後の対応についての御要望が寄せられ、私も現地を確認させていただきました。この問題は、この場所にとどまらず、今後の林業振興、住民の安全を守る上で問題点を整理し今後に生かす必要を痛感して、以下質問をさせていただきます。 今回問題となっているのは、いの町上八川地区で、中央構造線の南側に位置し地滑りや土砂災害が多いことでも知られている三波川変成帯に属した、急傾斜地崩壊危険区域周辺地域での森林作業道の工事です。 この地域では、平成24年から26年にかけて整備した柿平線という支線で土砂災害が発生をし、土砂が谷を下り、国道194号からその下の仁淀川の支流まで大きな岩や土砂が到達した、また平成29年度に整備をした作業道の支線4号沿いで、間伐した木材が山肌を滑り、国道194号の山側に設置をされている土砂災害防止用の金網を突き破り、国道を飛び越し川にまで到達するという災害が生じたとお聞きをしています。 そして、昨年8月に、森林作業道本郷馬路本線から支線である本郷馬路本線迂回路にかけて、人家の真上で土砂災害が発生しました。幸い、崩れた土砂は下の迂回路で止まりましたが、二次災害で下の人家を直撃する極めて危険な状態にあり、県も現地の調査を行い、この11月に、いの町や事業者の事業で災害復旧工事が完了いたしました。 土砂災害を誘発したこの迂回路は、平成29年度に、延長251メートル、幅員3メートル、総事業費122万円。県の造林事業費補助金、森の工場活性化対策事業費補助金、いの町の森林(もり)づくり交付金事業費補助金の3つ合わせて114万円余り、補助率93.3%と、極めて高率の補助金で事業が行われています。 この葛川地区は、葛川地区急傾斜地崩壊危険区域に指定をされていますが、森林作業道迂回路の一部がこの区域に入っていないか住民の方が確認をしている中で、急傾斜地崩壊危険区域を定めた標柱が撤去、放置されているのを発見し、中央西土木事務所職員に報告し、確認を求めました。 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律では、区域内での切土等を行う場合、知事の許可を得ることが定められていますが、この箇所は許可を受けておらず、7月25日に違法な行為が行われたことを中央西土木事務所の職員と確認したと聞いていますが、それは事実でしょうか、土木部長にお伺いをいたします。事実とすれば、急傾斜地崩壊危険区域の中でどのような法律違反を犯しているのか、またその行為に対し、今後どのように監督責任を果たしていこうとされているか、土木部長にお聞きをいたします。 県の森林作業道作設指針では、切土高は局所的に超えることがあっても1.5メートル程度以内とすることが望ましく、なおかつ高い切土が連続しないように注意すると定めています。独立行政法人森林総合研究所が2012年に出した森林作業道開設の手引きによると、切土法面の崩壊箇所を調査した結果、崩壊の8割以上が切土高が1.5メートル以上で起こっています、また地山傾斜が30度を越えると崩壊が多く見られるようになりますと記述をしています。 この迂回路の標柱が立っていた地点と迂回路全体で最も高い地点の切土高は幾らで、それは局所的か、連続しているのか、また災害が起きた本線の路肩から下の人家もしくは国道までの傾斜は何度あるのか、林業振興・環境部長にお伺いをいたします。 住民の方からは、この迂回路を工事するに当たり、事業者が本来必要な手続がなされていないとの指摘もあります。標柱を設置している土地の所有者は道を抜くことに反対しており、全ての地権者の同意を得ていない。また、標柱のあった土地の地目は畑のままで、農地法の手続を取るか地目を山林に変更してからでないと本来は工事に入ることはできませんが、手続が取られていないとのことです。 森林作業道の整備について、平成28年12月議会で、石井県議の質問に対し当時の林業振興・環境部長は、森林作業道作設指針等に基づいた壊れにくい道づくりを進め、開設後は管理台帳を作成して適切な維持管理を行うよう指針等に基づいた指導を行っていると答弁をされています。しかし、この現場においてそうした指導が行われていたなら、こうした事態にはなっていなかったのではないかと言わざるを得ません。 この間、住民の方が情報を集める中で、補助金申請資料も平面地図に路線図を引いただけで、傾斜なども不明な極めて簡易なものであったこと、作業道完了後も、補助金額が適切かとの確認はされたが、指針が遵守されているかなどの確認はされていないということが明らかになったとのことです。 作業道作設事業者からの補助金申請書提出時点でこの箇所が指針に基づき妥当なのか、完了後指針が遵守されているのかのチェックや指導は県、市町村のどちらが行うのかなど、部長が答弁をされた指導とは具体的にどのような体制でどのような手順に沿って実施をされているのでしょうか、林業振興・環境部長に伺います。 森林作業道作設指針は、適切な森林保全と管理のため、作業道を作設する上で考慮すべき最低限の事項を目安として示したものであり、きちんと事業者に考慮させなければ意味を持ちません。指針を守るべき責任は当然事業者の方にありますが、守らせる責任は行政にあります。今回の問題が生じた原因には、造林事業費補助金、森の工場活性化対策事業費補助金が、事業完了後に補助金の交付申請を行うという異例の措置となっている点も挙げられます。 今回の違法行為を含めた問題を受け、何を教訓とし、今後チェック体制の強化など、どう改善を図るお考えか、林業振興・環境部長に伺います。 本県のような急峻な地形での木材搬出に最も適しているのは、かつて各地で行われていた架線集材での作業システムであり、県も、土砂の流出または隣地の崩壊のおそれのある場合は作業道によらず架線集材を検討するとしています。 有資格者の減少やコスト高の問題もありますが、災害復旧に係る経費を鑑みて、県としても対策を講じるべきと思いますが、この項は知事にお伺いをいたします。 次に、土佐市宇佐のメガソーラー開発計画について伺います。 土佐市宇佐地区の太陽光発電事業計画の立地場所が、高知県が定める太陽光発電施設の設置・運営等に関するガイドラインで設置を避けるべきエリアとされている崩壊土砂流出危険地区に大半が含まれていることがこの間明らかになりました。宇佐の自然を守る会の皆さんの調査と高知民報社の報道によって、県民に知られることとなりました。 問題の重大性は--計画を実施するための森林伐採等の許可について県が判断するために開催をした高知県森林審議会森林保全部会では、この情報が委員に提供、明らかにされていないまま林地開発の許可を認めてしまっており、このまま推し進めることは決して認められるものではありません。同部会が開かれたのは2020年8月3日で、それを受けて県は8月27日に開発許可を決定しています。議事録は公開されていますが、配付された審議資料を含めて事務局が計画の内容を説明し、ガイドラインについても言及はしているものの、計画地が崩壊土砂流出危険地区であることに一切触れないまま審議を進めています。 委員からは、2014年に災害が発生をし、下流域の住民に避難指示が出された経緯も踏まえ、大規模開発への懸念が繰り返し示されました。しかし、事務局の県は、過去の災害については審査されていない中でずさんな工事が行われていたなどと述べる一方、今回の開発については計算上安定すると判断しているなどと説明し、許可は適当と押し切っています。 これについて、先日県は、崩壊土砂流出危険地区に該当するエリアであることを情報提供していなかったことを認めていますが、なぜ部会においてそのような重大な内容を委員に提供、報告しなかったのか、経過と明快な見解を林業振興・環境部長に求めます。 法的拘束力がないとはいえ、県自らが設置を避けるべきと定めているエリアに該当する重要な情報が委員に共有されていれば、審議の結果が変わった可能性は否定できません。しかも、今年7月の台風4号の雨により、開発申請地のすぐ西側にある塚地坂トンネルの南口から約100メートル西側の山側で巨岩の落下や約100立方メートルの土砂崩壊が起こっています。 このエリアは、開発申請地と一帯に崩壊土砂流出危険地区に判定をされているところです。開発申請地内でも、作業道の斜面が数か所崩れたと説明もされていました。まさに林野庁の山地災害危険地区調査要領に基づき県が判定をした崩壊土砂流出危険地区の危険性を事実で示していると言えるのではないでしょうか。 許可の正当性に重大な疑義が生じていることから、一部始まっている現場の工事を緊急に差し止め、許可内容を早急に再審査すべきと考えますが、林業振興・環境部長のお考えを伺います。 開発計画地には、過去には避難指示まで出た災害場所も含まれています。だからこそ、委員からは、県内でも例がないと言われる急傾斜地における開発でもあり、傾斜は急で大丈夫かと懸念する意見が相次いでいましたが、これに対して県は、表層土は薄く、硬い岩が出てくることから、傾斜は急だが浸食されても崩れることはないとの説明に終始をしています。開発許可ありきの対応と受け取られる説明です。 しかし、開発地は、県が崩壊土砂流出危険地区と判定をし、県が策定をした太陽光発電施設の設置・運営等に関するガイドラインは、その崩壊土砂流出危険地区を、設置を避けるべきエリアと明確に位置づけ、用地の選定にあっては十分考慮し検討してくださいと述べているのです。かつての林業部門での幹部は、県が自分で決めたガイドラインで設置を避けるべきとなっている場所であれば許可しない方向で動くのが通常だ、そうでなければ何のためのガイドラインなのかということになってしまうとのコメントを出し、さきの高知民報が紹介をしています。これがガイドラインの趣旨に沿った県の基本姿勢であるべきです。 現に、開発計画地内での土砂崩壊、同じ危険地区に指定をされている西側の山の崩壊などが実際に起こっていることや、また県内で例のない急傾斜地での太陽光発電設置、過去の災害の不安定な盛土の残置存在などのリスクがあり、それらに対して安全を確保できる技術、保証があるとは言えないのではないでしょうか。 開発許可に関する審査、指導に当たっては、ガイドラインに記載された用地の選定に係る制約を踏まえた上で、どのような検討がなされて許可という結論に至ったのか、具体的な検討経過について林業振興・環境部長に伺います。また、県は責任を持って災害や水害などを発生させるおそれがないと判断できるのでしょうか、林業振興・環境部長に伺います。 さらに、今月6日付の高知新聞に報道されましたが、この開発事業者が林地開発許可条件に違反して残置森林を伐採した問題に関してお伺いをいたします。現地の土佐市は、事業者の行為が県の許可条件遵守などを求める誓約書に明確に違反しているとして、再発防止策を講じるよう指導したと報道がされています。県は、事業者から間違って計画外の森林約1,235平方メートルを伐採してしまったと報告を受けたとしています。 県は今回の違反行為にどう対応してきたのか。事業者は間違って伐採したと言いますが、山林といえども1,235平方メートルもの伐採はとても考えられません。林業振興・環境部長に、経過を含めて見解をお聞きいたします。 事業者は、太陽光パネル設置の候補地としてこの伐採地を検討するつもりとの話もあるとのことですが、意図的であり、悪質とも言えるのではないでしょうか。今後の県の対応を含めて、林業振興・環境部長に併せてお伺いをいたします。 事業者は、住民との約束をほごにし、重要な洪水調整池設置よりも先に森林伐採や作業道の造成を進めようとするなど、今回の違反も含めて、許されない許可条件違反などを繰り返しています。 県はどう受け止めているのか、また森林開発行為に係る許可条件における22項目の1番に、以下の条件に従って開発行為を行わない場合はこの許可を取り消すことがあると規定をしています。これに基づいて早急に対応を検討し、許可の取消しを発動すべきと考えますが、林業振興・環境部長にお考えを伺います。 最後に、特別支援教育について伺います。 県立山田特別支援学校や県立日高特別支援学校の狭隘化解消を目的として、今年度高知江の口特別支援学校の跡に、日高特別支援学校の分校として高知しんほんまち分校が開校しました。 しんほんまち分校を開設するに当たり、「ゆたかに学べる教育の実現をめざして高知市に小・中・高、寄宿舎のある県立の100名規模の知的障害特別支援学校をつくる会」、略称学校をつくる会の方々からは、一歩前進の側面はあるものの、県教育委員会が示した計画では定員の問題でも教育内容においても課題解決につながらないのではとの指摘が相次ぎました。 この分校の定員は、1学年、高等部16人、中学部6名の22人で、今年度の入学者は高等部13人のみで、中学部は入学者がいないままでのスタートとなりました。今年度開校したばかりですから、今後どのように存在意義をつくっていくかが問われていますし、中学部入学者がゼロという状況の改善は急がれるのではないでしょうか。 学校をつくる会に参加をしておられる保護者の方などからは、県教委が特色ある分校にするため求める生徒像を学校説明の中に書き込み、保護者や教員に説明していることで、混乱が起きているとの指摘があります。県教委が示した求める生徒像は、身の回りのことは指示に応じて一人でできる生徒、目標達成に向けて努力できる生徒、就労を目指す生徒という3点です。 一方、中学部の校区である高知市教育委員会の入学決定基準の考え方は、学校教育法施行令第22条の3に規定する障害の程度、知的障害では知的発達の遅滞があり意思疎通が困難で、日常生活で頻繁に援助が必要、この程度に達しない場合は、社会生活への適応が著しく困難と判断される程度でなければ、特別支援学校ではなく特別支援学級に在籍すべきとなっています。高知市教育委員会の中学部への入学決定基準と県教委が掲げる求める生徒像の乖離が大きいがゆえ、入学者ゼロという状況をつくり出していると思います。 教育長はこの事態をどのように受け止めておられるのか、お伺いをいたします。 設置者として、高知市教育委員会との協議が必要です。協議に当たって、県としての考え方を整理しておく必要があるのではないでしょうか。 まず、高知しんほんまち分校に中学部を設置した狙いです。同じような機能を持つ日高特別支援学校高知みかづき分校には高等部しかありません。なぜしんほんまち分校には中学部を設置したのでしょうか。また、保護者や特別支援に関わる教員からも、小学校卒業段階で義務教育である中学部を選択するのに、就労を目指すといった生徒像が必要なのかとの声もあります。どのように受け止めておられるか、教育長に伺います。 さらにもう一方では、通常学校での特別支援学級の教育条件に不安を感じている保護者からは、専門的な教育を充実して受けさせたいとの思いから、特別支援学級ではなく特別支援学校に行かせたいとの願いもあります。そうした保護者がこの分校への就学を希望したけれど、高知市が行っている決定基準では障害の程度が厳しく定められているため、その思いが届かないという実態もあります。 高知しんほんまち分校中学部の有効活用のため、高知市教育委員会との協議もされていると思いますが、この点についての協議の結果を教育長にお伺いをいたします。 この項の最後に、特別支援学級の課題について伺います。通常学校での特別支援学級は、2012年以降の10年間で523学級から今年度の666学級へと急激に増加をしてきました。その特徴は、自閉症、情緒障害と判定される児童生徒が2012年の469人から10年間で1,528人へと、毎年100人近く増加をしていることです。 本県は、障害種別で学級を編制するという先進的な取組を築いていますし、県教育委員会も課題意識を持って相談支援体制や教員の指導力の向上施策などを打ち出していますが、現場の困難は深刻さを増す一方です。ある教室では、学年がばらばらの7人の知的障害児を1人の担任が見ていて、教員自身も、満足のいく指導・支援が難しく、納得いく支援ができていないしんどさ、保護者の期待に応えられないもどかしさを感じていると語っています。また、高知市の自閉症、情緒障害の特別支援学級の在籍者は平均で5.4人となっており、担任の手が回らないことから、交流学級への同行もできず、一人一人に適した指導がしづらい実態にあります。 せめてクラスに3学年以上が在籍する場合は複数配置にするといった対応ができないか、教育長に伺います。 特別支援教育の就学についての教育相談支援について、高知市以外では県立学校の職員が支援に参加をしています。今年度、235学級で、児童生徒数も県内の約半数を占めている高知市への就学のための教育相談支援体制の充実を図る必要があると思いますが、どう対応されるか、教育長にお伺いをいたしまして、私の第1問といたします。   (知事濱田省司君登壇)
    ◎知事(濱田省司君) 塚地議員の御質問にお答えをいたします。 まず、新型コロナウイルス感染症対策に関連いたしまして、医療的ケアに不可欠な物品、薬は、本来、公的保険で診療、投薬すべきではないのかというお尋ねがございました。 この夏の第7波におきましては、全国的に感染者が急増したことによりまして、発熱外来が逼迫をし、受診が困難な状況となりました。このため国におきましては、重症化リスクの低い方が自分で感染の有無を判断できますように、一部の検査キットを薬局などで購入できます一般用検査薬として承認をいたしたところであります。 この検査キットで陽性が判明をした方のうち軽症の方は、軽度の発熱がございましても、薬局で購入ができる解熱薬を服用すれば、医療機関を受診しなくても自宅での療養が可能となると、そういった環境が整ったわけでございます。このような方が相対的に増えてまいりますと、医療機関の発熱外来の混雑を防止するという効果が期待できるわけでありまして、高齢者などの重症化リスクの高い方が発熱した場合に速やかに医療機関を受診し早期に薬物治療につなげるといった環境が整うという、そうした効果も期待できるわけでございます。 本県におきましても、感染拡大期におきましては発熱外来が混み合いまして、早期の治療が望まれる重症化リスクの高い方の受診が遅れることを避けるということが重要になると考えております。そのため、特に重症化リスクが低い若い方々には、本来、お話にございましたように、公的保険の対象となり得るものではございますけれども、あらかじめ自費での検査キットの備蓄を推奨させていただいている、そういうものであります。なお、若い方々でありましても、症状が重い場合にはためらわずに医療機関を受診していただくようにお願いをいたしているところであります。 次に、検査キットについて、希望する方や生活保護受給者をはじめとする経済的に厳しい方々への措置を講じるべきではないかとのお尋ねがございました。 第7波におきましては、全国的に感染が急拡大をしたということがありまして、検査キットの供給が追いつかずに入手が困難な状況となっていたという状況がございました。こうしたことから、国から配付をされた検査キットを県から無料で配付をするという特例的な扱いを行ったわけでございます。 その後、流通状況が改善をされまして、検査キットが入手をしやすい状況となりましたために、この無料配付は休止をいたしております。ただ、今後、発熱外来や流通状況が再び逼迫をし、自ら検査キットを入手して検査することが客観的に難しいと、そういった状況になった場合には、速やかにこの無料配付の事業を再開いたしたいというふうに考えております。 また、今回の呼びかけは、経済的な理由などで検査キットの購入が困難な方々が発熱等の症状の出られた場合にまで自己検査を求めるといった趣旨ではございませんので、このような場合には速やかに医療機関で受診をしていただくようにお願いいたしたいというふうに考えております。 最後に、森林の作業道に関しまして、急峻な地形での木材の搬出におきまして、作業道によらない対策を講じるべきではないかといったお尋ねがございました。 本県におきましては、森林の約6割が傾斜30度以上の急傾斜地に分布をしているところであります。こうしたことから、本県では、架線による集材が他県に比べて発達をしてまいりました。ワイヤーを使って、作業道でない方法で集材をするということであります。しかし、最近では、操作をする技術者が減少いたしましたり、作業道の開設技術が進展をしてきたということがございまして、こうした架線集材の方法の活用機会が減少してきているというのが実態でございます。 一方で、議員御指摘のとおりでございますが、急傾斜地におきます作業ルートの設定は、安全面あるいは経済面などから慎重な検討が必要でありまして、その意味で、架線集材ということも有力な選択肢であるというふうに考えているところであります。このために、架線集材に係ります人材の育成あるいは新たな技術の導入などについても併せて進めていく必要があるという認識でおりまして、そうした取組を県としても進めてまいっております。 人材育成につきましては、県立の林業大学校におきまして、架線シミュレーターを活用しながら、架線集材に必要な資格を取得させるといった取組を進めております。また、新たな技術の導入につきましても、近年開発をされました無線操作が可能な集材機などの安全性、生産性の実証を行っておりまして、こうした成果の普及に取り組んでいるところであります。 加えまして、現在整備中の森林クラウドは、架線集材のシミュレーションにも活用できます。こうしたことから、地形条件に応じた作業システムを事前に確認することが可能となるというメリットがあると考えております。 こうした架線集材の活用に係る取組も着実に進めていくということによりまして、急傾斜地の森林を多く抱えます本県林業の課題解決を図ってまいりたいと考えております。 私からは以上であります。   (健康政策部長家保英隆君登壇) ◎健康政策部長(家保英隆君) 高齢者など重症化リスクの高い方の発熱外来受診の考え方についてお尋ねがございました。 高齢者や基礎疾患のある方々など重症化リスクの高い方に発熱等の症状がある場合、自己検査の必要はなく、速やかに医療機関を受診していただく必要があります。従前の県のホームページでは、こうした重症化リスクの高い方にも自己検査を求めるとの誤解を与えかねないものとなっていましたため、議員の御指摘を受けて、表現、構成を見直したところでございます。引き続き、正確で分かりやすい広報啓発に努めてまいります。   (商工労働部長松岡孝和君登壇) ◎商工労働部長(松岡孝和君) 小規模事業者、個人事業者の事業継続への支援についてお尋ねがございました。 まず、小規模零細・個人事業者の資金繰り支援につきましては、特別小口融資の償還期間の延長や伴走支援型特別保証融資の融資枠の増額などにより、これまでにも対応を行ってきているところです。年末にかけましては、信用保証協会や金融機関などと連携し、金融相談窓口も設置し、対応をしていきたいと考えております。 次に、支援金について申し上げますと、現在の経済状況は、回復に向けた動きの中でエネルギー・物価高騰に見舞われており、その長期化も予想される状況にございます。こうした状況下においては、先々の事業の継続につなげていくために、できるだけ早く力強く構造転換を促していくことが必要と考えます。 仮に、お尋ねのありました支援金を創設すると、10億円を超える予算が必要となり、その場合には、財源に限りがありますことから、他の必要な対策ができないこととなります。このため、現段階で県として支援金制度を創設することは考えておりません。 また、国に対しましては、これまでの政策提言により、このたびの総合経済対策にエネルギー高騰対策などが盛り込まれたところでございます。まずは今後の経済状況を注視し、その上で必要があれば、さらなる対策について政策提言を行ってまいります。   (文化生活スポーツ部長岡村昭一君登壇) ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) まず、大学が抗原検査キットを確保するための財政支援と、大学における医療的ケアを含めた学生への支援体制の構築の要請についてお尋ねがございました。 大学による検査キットの確保につきましては、高知県立大学及び高知工科大学では、これまでも数回にわたって一定数の抗原検査キットまたはPCR検査キットが備蓄されてきておりますため、県として新たな財政支援を行うことは考えておりません。 また、医療的ケアを含めた学生への支援につきましても、既に両大学ともに、学内に設置されている健康管理センターの保健師、看護師が中心となって対応がなされております。具体的には、発熱などの症状を自覚した学生から相談を受けた際には、その状況を丁寧に聞き取った上で、必要に応じて医療機関との受診調整や、一人暮らしの学生については医療機関や宿泊療養施設への送迎を行うなど、手厚い支援が行われてきております。 県といたしましては、今後も各大学において学生へのきめ細かな支援を行っていただきたいと考えております。 次に、県内の大学などにおける日本学生支援機構の助成事業の活用事例と、活用していない学校の理由についてお尋ねがございました。 本年度、県内の大学などでこの事業を活用した学校は、高知大学と高知医療学院の2校であります。いずれも食費への支援に活用されており、高知大学では新入生全員に大学生活協同組合の利用券3,000円分を配付し、高知医療学院では在学生全員に5,000円の助成を行ったとお伺いしております。 他方、この事業を活用していない高知県立大学及び高知工科大学におきましては、後援会や同窓会からの支援や県内の企業からの寄附をいただいており、学生数などに関わらず一律に補助率が2分の1、上限額が1大学100万円とされている当該事業を活用するには至っていないと聞いております。 最後に、日本学生支援機構への当該事業の継続の要望と、県内の大学などに対する事業活用の要請についてお尋ねがございました。 この助成事業につきましては、本県の大学などだけでなく全国的に見ても十分な活用はなされていないものと承知しております。その要因としましては、補助率や上限額の設定などの点で、各大学などにとって使い勝手がよい制度とはなっていないことがその一つではないかと受け止めております。 このため、県といたしましては、日本学生支援機構に対し、事業の継続と併せまして、各大学などが活用しやすくなるよう、学生数や事業内容などに応じて補助率や上限額などを見直していただくことにつきましても要望してまいりたいと考えております。その上で、高知県立大学及び高知工科大学に対しましては、この事業の活用も含め、経済的に困難な状況にある学生に引き続ききめ細かく支援を行うよう要請してまいります。   (土木部長荻野宏之君登壇) ◎土木部長(荻野宏之君) 急傾斜地崩壊危険区域内で知事の許可を受けずに違法な工事が行われた事実があるのか、また事実である場合の法律違反の内容と県の監督責任についてお尋ねがございました。 御指摘の葛川急傾斜地崩壊危険区域内におきまして、森林作業道の整備による切土等の行為が知事の許可を受けずに行われていたことを中央西土木事務所が本年7月25日に確認しており、違法な工事が行われていたことは事実でございます。急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第7条では、区域内で切土や盛土等の行為を行う場合は知事の許可を受けるよう定めており、本工事はこれに違反しております。 県では、工事を行った業者に対して、まず、区域内での制限行為を行う際には知事の許可が必要であることを8月に口頭で指導したところでございます。 引き続き、現地の状況を確認し、斜面の崩壊を助長、誘発する可能性があると認められる場合には必要な対策を実施するよう、適切に指導を行ってまいります。   (林業振興・環境部長豊永大五君登壇) ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) まず、急傾斜地崩壊危険区域の標柱が設置されていた地点及び森林作業道迂回路全体で最も高い地点の切土高とその連続性について、また災害が起きた本線の路肩から下の人家または国道までの傾斜角度についてお尋ねがございました。 県の森林作業道作設指針は、国の指針に従い、局所的な場合を除き、切土の高さは1.5メートル程度以内が望ましく、かつ高い切土が連続しないよう配慮が必要としています。 標柱が設置をされていた地点の切土高は6.7メートル、最も高い地点は9.5メートルでございます。また、切土はほぼ1.5メートルを超え、連続しています。本線の路肩から最も近い人家までの平均傾斜は約40度、国道までの平均傾斜は約29度で、いわゆる急傾斜となっています。 指針に基づく切土の高さに配慮する必要がありますが、地形が複雑で急傾斜の森林が多い本県では、切土が高くなる傾向にあります。その場合でも、国の指針に基づき定めた地質や土質等の条件に応じた切土の標準勾配は守るように指導をしてきています。今回の森林作業道につきましては、部分的な高い切土や連続した切土というふうになっておりますが、切土の標準勾配は適合していると確認をしています。 次に、森林作業道作設指針に照らした工事箇所の妥当性や工事完了後の同指針の遵守について、またチェックや指導を行う際の体制と手順についてお尋ねがございました。 まず、補助金を受けようとする森林作業道について、森林作業道作設指針に適合するかどうかのチェックや指導につきましては、交付を行う県や市町村がそれぞれの補助金交付要綱等に基づいて行うことになります。 県の手続においては、事業者は工事に先立って、実施予定箇所及び概算事業量等を記載した事前計画書を所轄の林業事務所に提出することとしています。林業事務所は、内容や計画性等を確認し、事業規模や線形、開設量などが適切であるかどうかなどの必要な指導を行うこととしています。 森林作業道の補助金交付申請は、事業終了後、速やかに行うことと定めています。その際、所轄の林業事務所の検査員が、関係書類や現地において森林作業道作設指針の適合確認等を行い、不適合の場合には手直しの指導または不合格である旨を通知することとしています。 次に、今回の違法行為を含めた問題を受け、何を教訓とし、どう改善を図るのかとのお尋ねがございました。 今回、葛川急傾斜地崩壊危険区域内において森林作業道の整備をしたことにつきましては、事後申請方式という事業の特殊性から、事前確認が十分できていなかったことに起因したものと捉えています。 こうしたことを防ぐには、事業実施前に法的制限や必要な許可等の有無をしっかりと確認することが重要と考え、事業者から提出される事前計画書にチェックシートを追加することとしまして、本年4月から運用を開始しております。あわせて、県の森林作業道作設指針についても、必要となる方針を加えながら、しっかりと周知していくことが必要だと考えています。 そのため、近年の局所的な豪雨による災害発生の状況を踏まえた国の指針に基づき、開設を避ける場所や配慮すべき工法、傾斜に応じた作業システムなどを指針に追記し、周知を図ってきたところでございます。 今後は、こうした取組の実効性を高めながら、林業振興と地域の皆様の不安解消の両立に努めてまいります。 次に、太陽光発電の事業計画における立地場所が崩壊土砂流出危険地区に該当することを森林審議会森林保全部会において報告しなかった経緯と見解についてお尋ねがございました。 崩壊土砂流出危険地区を含む山地災害危険地区は、治山事業実施箇所の選定や優先度の判断のための目安となるものとして、また市町村等における警戒避難体制の整備のための基礎情報として活用しています。 太陽光発電施設の設置・運営等に関するガイドラインでは、崩壊土砂流出危険地区等については設置を避けるべきエリアとなっていますが、森林法に基づく保安林や土壌汚染対策法に基づく要措置区域等、法で設置が認められていないものと違って、設置は可能となっています。その上で、設置する場合は、植生マットの使用や沈砂池の設置、切土のり面への擁壁の設置、調整池等の貯留施設の優先設置等、防災面での対策を行うよう求めています。また、開発事業が完了した後は、防災面での対策が施され、森林でなくなることから、崩壊土砂流出危険地区から外れるといったことになります。 一方で、林地開発許可制度は、森林の持つ災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全という4つの機能が損なわれることがないよう、技術的に詳細な許可基準を定め審査するものです。事業計画区域内に崩壊土砂流出危険地区が含まれることについては認識をしておりましたが、森林審議会森林保全部会は、林地開発許可制度に基づき、許可基準に従って県が審査した事項を審査いただく場であるということから、報告をしていなかったものでございます。しかしながら、森林審議会森林保全部会においてガイドラインの情報提供をしておりますことから、併せて計画区域内に崩壊土砂流出危険地区が含まれるといった情報についても提供すべきであったというふうに考えています。 次に、工事を差し止め、許可内容を再審査する必要性についてお尋ねがございました。 林地開発許可制度においては、先ほど申しましたとおり、4つの機能が損なわれることがないよう、技術的な視点から審査をするものです。当該地につきましても、森林審議会森林保全部会では、災害の防止等に関する林地開発で審査すべき事項について、図面等を確認していただきながら説明いたしました。 特にこの案件は、森林審議会森林保全部会で意見を聞く基準であります開発面積10ヘクタールには満たなかったものの、極めて近い面積であること、また平均傾斜34度の急斜面であること、過去に他事業者の開発行為に起因する土砂災害が発生したことを踏まえ、慎重を期して諮問したものであることを、森林審議会森林保全部会の場で説明をいたしました。 また、事業者からは、事業計画区域内に崩壊土砂流出危険地区が含まれていることを踏まえて、災害の原因となる可能性のある表層土の除去、浸食防止と表面水の分散、流速の軽減を目的とした植生シートの施工など、対策を実施した上で太陽光パネルを設置する計画が提出をされました。 森林審議会森林保全部会においては、こうした計画であることを説明し、技術的、専門的な見地から様々な御意見をいただきました。その上で、洪水調整池などの防災施設の先行設置を許可条件に加え、県として許可の判断を行ったものです。このため、森林審議会森林保全部会での議論は適正に行われており、再審査を行うことは考えておりません。 次に、開発許可に関する審査、指導に当たっての具体的な検討経過と、県は責任を持って災害や水害が発生するおそれがないと判断できるのかとのお尋ねがございました。 県では、太陽光発電事業者等から事業実施に向けて相談があった場合には、先ほど御説明をしましたガイドラインの趣旨を踏まえて概要説明を行うこととしています。本件につきましては、事業者から当ガイドラインに関し事前に相談があったことから、ガイドラインの概要について説明をしています。その際、県は、事業計画区域内に崩壊土砂流出危険地区が含まれていることを認識し、事業者にその旨伝えたものの、事業者は、事業地の変更はしないとの考えを示しました。 その後、事業者からは、先ほど御説明しましたとおり、太陽光パネル設置場所の全面に植生シートを設置することや沈砂池の設置等、また切土のり面への擁壁等も含めて、ガイドラインの趣旨を踏まえた計画が提出をされました。また、過去の災害により不安定土砂が堆積している区域では、洪水調整池等の設置に伴い不安定土砂が除去されることや、調整池の管理道の設置による土砂の締め固めなどにより、災害等のリスクを軽減する計画となっています。 当該開発地は、林地開発許可制度の基準を満たす計画であると認めて許可をしており、必要な防災対策ができていると判断をしております。 次に、開発事業者の許可条件違反に関し、どのように県が対応したのか、また経過を含めた見解についてお尋ねがございました。 令和4年9月12日に開発事業者が来庁し、台風による倒木を処理する際に誤って残置すべき森林を伐採したとの報告がありました。このため、同日、現地調査を行った結果、開発行為は申請書及び添付図書の内容に従って行うこと、開発行為の計画を変更するときは許可の変更申請等を行うことの2つの許可条件に違反している事実を確認いたしました。 その後、9月14日に文書による行政指導を行い、防災施設を除く全ての開発行為の中止及び計画外の伐採による土砂流出防止のための応急措置計画の提出を求めました。そして、9月16日付で事業者から提出のあった応急措置計画は適当であると判断をし、9月22日に受理通知を行い、計画内容に基づき速やかに実施するよう指示をしております。 事業者は、9月28日に応急措置を完了し、10月6日付で応急措置完了届の提出がありました。このため、県は10月18日に現地確認を行い、翌日付で応急措置の完了届を受理した旨の通知を行ったところです。 今回の違反行為につきましては、誠に遺憾であるというふうに考えております。今後、こうしたことがないよう、県としましても定期的に巡回を行いながら適切に事業者を指導してまいります。 次に、違法に伐採した土地を太陽光パネル設置の候補地として検討することについて、今後の対応を含めてお尋ねがございました。 議員のおっしゃるとおり、事業者からは、伐採した区域に太陽光パネルを設置する可能性もあるということを聞いております。開発行為に当たり、残置することとしていた森林を伐採した場合は、森林に復旧するといったことが基本となります。今回、残置森林を伐採したことにより、当初の計画と相違することとなり、太陽光パネルを設置する場合も、植栽し復旧する場合も、いずれの場合も変更の手続が必要となります。このため、事業者に対して、変更計画を速やかに提出するよう指導をしています。 しかしながら、いまだに変更計画の提出がされていないことから、県としましては、期限を設けて変更計画の提出を求めることを今考えているところでございます。仮に期限までに変更計画が提出されなければ、森林法の規定に基づき、復旧命令を発出することを検討してまいります。 また、誤って伐採された場所にパネルを設置するという計画が提出された場合は、内容をしっかりと確認し、技術基準に照らし合わせ、変更を許可すべきかどうか審査をしてまいります。 最後に、事業者の許可条件違反に対する受け止めと、許可条件にのっとり許可の取消しを発動する必要性についてお尋ねがございました。 今回、許可条件に違反した行為につきましては、誠に遺憾であると考えております。このため県では、許可条件違反等を犯した事業者に対して、違反した事項を是正するための措置を講じるよう、まずは行政指導を行っているところです。仮に事業者がこの行政指導に従わない場合は、開発行為の中止命令などの監督処分を科すこととなっています。 許可の取消しは、許可条件として取消し権の留保を付して、許可要件に係る重大な義務違反があり、監督処分によっても当該義務違反が解消されない場合には、行うことが可能とされています。このことは、許可の取消処分が強い権利制限であることから、慎重に行う必要があるとされているためです。 当開発地において、事業者は、行政指導に応じて許可条件違反を是正する一定の措置を講じております。このことから、現状においては、直ちに許可を取り消す段階であるとは考えておりません。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) まず、高知しんほんまち分校の中学部に入学生がいないことへの受け止めと、中学部を設置した狙いや生徒像についてお尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えをいたします。 高知しんほんまち分校につきましては、本年度高等部13名の生徒を迎え開校できたことを大変うれしく思っております。しかし一方で、中学部に入学生を迎えることができなかったことにつきましては、大変残念に思うところであります。 高知しんほんまち分校は、県立山田特別支援学校の狭隘化の問題の解決に向けて、高知県における知的障害特別支援学校の在り方に関する検討委員会からの提言を受けまして設置をしたものでございます。そして、同検討委員会からは、生徒数の増加は中・高等部で顕著であり、まずはこの両学部を設置することが望ましいとの提言をいただいております。 さらに、県といたしまして、高知みかづき分校のような専門的職業教育を行うのではなく、基礎的職業教育を行う学校とすることで、中学部から学べる学校としたいとの思いから、現在の学部構成にしたものであります。こうした学校の特色から、求める生徒像を就労を目指す生徒とし、昨年度、保護者や関係の皆様にお示しをしたところです。 この生徒像につきましては、小学校卒業時点の児童の思いや状態を表したものではなく、あくまでも高等部の生徒をイメージしたものであります。今後、児童生徒や保護者の皆さんにこの生徒像がより具体的に伝わりますよう、補足の説明を加えるなどの改善を図るとともに、入学の可否について判断していただく高知市教育委員会とは、高知しんほんまち分校に入学を希望する生徒の状態などにつきまして十分協議をしてまいりたいと考えております。 次に、高知しんほんまち分校中学部の有効活用に関する高知市教育委員会との協議結果についてお尋ねがございました。 高知市教育委員会とは、就学に向けた協議を毎年行っておりますが、本年度はそれに加えて高知しんほんまち分校の就学希望状況などについても情報を共有し、協議を行いました。その中で、特別支援学校への就学は障害の程度が法令の規定に該当することが必要条件であることが原則ではありますが、発達検査の数値のみで判断することがあってはならないことを説明しております。また、子供の成長にとって必要な支援内容を丁寧に検討する必要があること、保護者と合意形成を図りながら総合的に判断する必要があることについてもお伝えをしております。この協議の中で、高知市教育委員会におきましても一定の御理解をいただいたものと考えております。 次に、3学年以上の児童が在籍する特別支援学級への教員の複数配置などについてお尋ねがございました。 本年度、県内の公立小中学校において、3学年以上の児童生徒が在籍する特別支援学級は140学級あります。そのため、この3学年以上が在籍する学級全てに教員を複数配置することは、財政面でも、また教員の確保といった面でも困難であると考えております。 現在、本県では、特別支援学級において多人数で重度の障害がある子供が在籍するなど、担任以外の支援が必要であると考えられる場合には、市町村教育委員会とも協議の上、個別の指導が可能となる児童生徒支援の加配教員を配置するといった支援を行っているところでございます。今後も引き続き、国の加配定数の確保に努めるとともに、国に対して、特別支援学級の編制基準の引下げについても、全国都道府県教育長協議会や教育委員協議会と共に要望してまいります。 最後に、高知市の就学のための教育相談支援体制の充実についてお尋ねがございました。 特別な支援を必要とする児童生徒の就学に関する教育相談は、市町村教育委員会が行うことになっております。そして、市町村教育委員会においては対応が難しい障害種については、県教育委員会が申請を受け、県立特別支援学校の教員を相談員として派遣しております。 高知市につきましても同様に、対応が困難とされる視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱の4障害種に関して、県教育委員会が相談員を派遣し、支援を行っているところでございます。このほか、高知市は、県の補助金を活用して、専門的な教育相談員を配置しています。 県教育委員会としましては、今後もこうした支援を継続していくとともに、高知市との情報共有を随時行い、個別の相談にも対応し、子供や保護者の支援につなげてまいります。 ◆37番(塚地佐智君) それぞれ御答弁ありがとうございました。ちょっと残り時間が少なくて、2問目が十分にできないんですけれども、幾つかさせていただきたいと思います。 まず、土佐市のメガソーラー開発の問題ですけれども、先ほどのるるの御答弁をお伺いしていて、太陽光発電の運営に関するガイドラインの中で設置を避けるべきエリアとしているのに、先ほど部長は、設置は可能なんだとおっしゃいました。それは可能かもしれません。でも、この避けるべきエリアというふうにガイドラインで定めていれば、いかにして避けるのかというのが県の基本姿勢でないといけないんじゃないですか。そうでないから、今、こうした様々な土砂の崩壊の危険性の問題も出てきているじゃないですか。 先ほどのお話では、土砂の流出の危険区域なんだということを事業者には説明をしたと。事業者に説明したのに、なぜ審議会の委員にも土佐市にも住民にもそのことをちゃんと説明していないんですか。まず、そのことを林業振興・環境部長にもう一度お伺いいたします。 そして、今日るるいろいろ説明をいただきましたけれど、このるる説明の大前提は、ここが設置を避けるべきエリアなんだとガイドラインで定められているということだと思うんですね。その基本姿勢に立って、私は再度住民の皆さんに説明をすべきだというふうに思いますので、その考えはないかということを林業振興・環境部長に2問目お伺いしたいと思います。 さらに、先ほどこの開発場所に対して崩壊土砂流出危険地区というのが含まれているという、本当に部分であるような答弁をされましたけれども、大半がそうでしょう、ほとんど。もし数字がここで分かるようでしたら、約9.6ヘクタールのうちその地区に定められている区域がどれぐらいの広さなのか、もし答えれたら答えてくださいよ。含まれているというレベルの話ではないと私は思っておりますので、その数字がお構いなかったら林業振興・環境部長に再度言っていただきたいと思います。 ここは知事にお伺いをしたいんです。それは事業者への信頼の問題です。先ほど、残置森林の伐採の問題で御答弁がありました。間違って切っちゃいました、でも切ったところにパネルを設置する計画も検討していますって、そんな話がありますか。これは本当に、自分でやっておいて、あとは自分でいいように活用していく、後で届ければいいんだという事業者の姿勢の何物でもないじゃないですか。 さらに、住民の皆さんが怒っておられる貯水池の設置の問題も、住民の皆さんが見とがめたから、それが開発より先に完成するということになったんですけれど、言っていなかったらそのまま、貯水池もできていないうちに工事もしていた可能性だってあるということです。 部長は、これから頻繁に--頻繁にと言ったかどうかあれですけれど--巡回をして指導していくというふうにおっしゃいました。こういうふうに設置すべきでないエリアに危険性を冒してでも太陽光発電を設置させる事業者にしょっちゅうしょっちゅう指導もせんといかん、巡回もせんといかんって、そんな信頼性のない状況をどう考えるかということは、これは知事にお伺いをしたいと思います。 最後にもう一点、検査キットの問題とコロナでの対策のことで、知事がおっしゃいました、経済的にお困りの方は検査キットで調べなくてもぜひ受診してくださいということを伝えていきますという御答弁だったと思うんですけれど、それはすごく大事なことで、ぜひ大いにそのことを周知していただきたい。どういう周知方法でされるかということを知事にお伺いして、私の第2問といたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 第2問にお答えいたします。 まず最初の、ガイドラインに載っている避けるべきエリアとされているものを認めるかというような御質問だったと思います。 基本的には、県としては避けるべきエリアということで、事業者に対してはその旨お伝えし、極力避けていただくようお願いをしているところでございますけれども、先ほど申しましたように、最終的には設置をできないということにはなりませんので、事業者がどうしても設置をするという判断をされた場合には、先ほど申しましたような防災対策をしっかりしていただいて、それをしっかり審査してみるということで対応してきているところでございます。 それから2問目の、住民に説明をする必要があるのではないかという御質問でございました。 基本的には、県のほうから住民に説明するという規則というか、そういうものはございませんけれども、この件につきましては少し検討してみたいなというふうに考えております。 また、3問目でございますけれども、すいません、今のところ数字を持っていませんけれども、確かにエリアとしては大半が含まれているということになります。 ◎知事(濱田省司君) まず、土佐市のメガソーラーの事件の事業者への対応の問題についてであります。 お話がありましたように、また部長からも答弁をいたしましたように、事業者のほうが許可条件にない森林の伐採を言わば勝手に、間違ってと言っておりますが、許可条件にない形のものを伐採したということは事実でありまして、これは大変遺憾なことだというふうに考えておりますし、これは復旧を図るべきものが基本だということは、その考えを改めて申し述べたいと思います。 ただ、我々県の行政は法令に基づいて行うということでありますから、この法令におきまして林地の開発許可というのが一定の技術基準に適合すれば、それは許可をすべきものとして運用しなければいけない。この点は最終的に、そういう事業者の方でありますから訴訟での係争なども想定しますと、やはり法令に基づく対応の範囲内でどういうことができるかということで考えていかないといけない問題だと思います。そういった観点に立ち、かつ部長からも答弁申しましたように、しかしこれまでの経緯もございますので、県自身がしっかり巡回をしてチェックをしていく体制を強化していくということも含めて、この点につきましてはしっかりとウオッチをし、対応を見極めた上で、住民の皆さんの不安を取り除くように努力をいたしたいというふうに存じます。 それから、検査キットの問題の広報についてであります。 これに関しましては、お話がございましたような経済的に困難を抱える方々にどういう形で広報するのが一番効果的かという観点から、具体的にいろんな方法が考えられると思いますが、県の広報媒体でどういう媒体を使うのが効果的かという観点から健康政策部等に検討させまして、その上でしっかりと周知を図ってまいりたいと思います。 ◆37番(塚地佐智君) 法令遵守は当然のことなんですけれども、このガイドラインとは何かということと、これは林業作業道との関係も、作設指針とは何なのかということを私は改めて今回感じております。林業作業道の問題でいうと、最高高いところは9メートルの切土があるって、そんなのが作設指針で合致しているとか、ここまで違反を繰り返したり指導せんといかんというようなところはどういうことなんかということの、改めて県の指導性、誠実な対応を求めたいと思いますし、最後に、住民の説明会は検討するというふうにおっしゃったので、ぜひそれは前向きに必ず実現をしていただきたい。前向きに検討するかどうかだけ林業振興・環境部長に第3問をさせていただいて、私の一切の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 先ほども申しましたように、こちらから積極的に説明するということにはなっておりませんけれども、住民の皆さんはそういう説明を求められるということも今までもありますので、そういう声があるということであれば積極的に前向きに考えていきたいと思います。 ○副議長(西内隆純君) 暫時休憩いたします。   午後2時26分休憩-----------------------------------   午後2時50分再開 ○議長(明神健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 4番上治堂司君。   (4番上治堂司君登壇) ◆4番(上治堂司君) 自由民主党会派の上治堂司であります。議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入らさせていただきます。 濱田知事は、令和元年12月7日に就任をされ、残す任期もあと1年となりました。この間、就任後すぐ新型コロナウイルス感染症が日本全国に拡大し、高知県の感染者数も10万人を超え、今もなお感染者が毎日3桁の状況が続いており、感染拡大防止と経済対策の両立が重点施策となっております。そのために、公約に掲げた政策、また知事の描く将来の高知県の姿へ向けての対策が十分できなかったことと思いますけれども、尾崎県政からさらに発展した県政へと日夜取り組んでいる姿勢に心から敬意を表するところであります。 知事は、県政運営の基本姿勢である共感と前進を行っていく一つとして県民座談会「濱田が参りました」を令和2年から開始し、県内34市町村全てを回り終え、そして令和3年5月から「再び、濱田が参りました」を行っており、この11月までに26市町村の住民の方々と2回目の意見交換を終えて、様々な面で県政に生かしているところでもあります。また、令和4年9月議会で報告をされましたが、県政の各分野にわたり、中長期的な課題や取組の方針など、各部局長と活発な議論を交わし、これからの県勢浮揚に生かすこととしております。 去る10月19日に予算編成方針が出されておりますけれども、実質、任期最後となります令和5年度当初予算編成に当たり、濱田カラーをどのように出して予算編成に取り組んでいくのか、その決意について知事にお伺いいたします。なお、一般質問の初日の代表質問で、私たち自民党会派の横山議員からの同趣旨の質問に対しまして丁寧な御答弁をいただいておりますけれども、改めてその決意をお伺いいたします。 次に、道路整備の促進についてお伺いいたします。道路は、地域住民にとって、安全で安心できる生活を確保し、物流の効率化による地域活性化や観光振興など、地域経済の好循環をもたらす活力の道であります。また、今後30年以内に70から80%の確率で発生すると言われています南海トラフ地震等の災害時の迅速な救急救命活動や復旧・復興活動で重要な役割を果たす命の道でもあります。そして、中山間地域が自立していく上で欠かせない社会基盤として、道路は最優先して整備をしなければならない根幹的な施設でもあります。 四国東南部地域における高規格道路の整備状況は、高知県側は安田町から奈半利町までの約4キロは事業化に至っていませんが、それ以外の区間は高知龍馬空港から東洋町まで全て事業化となり、少しずつではありますが着実に進んでいるところであります。中でも、高知龍馬空港から香南のいちまでは令和7年春頃には供用開始となり、芸西西までつながることによって大幅な時間短縮とともに、安全・安心な道路として地域住民の期待も大きいところであります。一方、芸西西から東洋町までの間を見ますと、道路用地の確保の課題など問題が多くあるとは思いますが、まだまだ整備を加速できるのではないかと思います。 去る10月14日に、四国8の字ネットワーク整備促進四国東南部連盟による令和4年度の秋の勉強会が開催され、高知県からは安田町、田野町、奈半利町、徳島県から海陽町、牟岐町、美波町のそれぞれの首長が、高規格道路の整備によって生まれる経済効果をはじめ様々な効果について意見発表を行ったところであります。 また、去る10月28日の高知新聞に掲載されていましたが、梶原大介参議院議員が国土交通委員会で、災害発生時に救命や復旧、物資の供給などに大きな役割を果たす四国8の字ネットワークは不可欠な社会資本であり、整備促進とミッシングリンクの早期解消が求められると質問をし、それに対して斉藤鉄夫国土交通大臣は、四国8の字ネットワークは平時は地域の産品を効率的に輸送し、災害発生時には命の道になる、ミッシングリンクの解消は重要な軸で、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の予算も活用して整備を促進したいと答弁をされています。 いよいよ2025年には大阪・関西万博が開催される予定で、知事は様々な面で関西戦略を重点施策として取り組んでいくこととしています。関西圏からの人の流れを考えた場合、高規格道路の整備は急がれるところです。 全国高速道路建設協議会の副会長でもあります知事として、進捗が遅れております県東部の高規格道路の整備促進についての決意をお伺いいたします。 次に、中山間のUターン対策についてお伺いをいたします。 知事は就任以来、県議会定例会の中で毎回、若者が住み続けられる中山間地域の実現なくして高知県の発展はないという強い思いを述べられ、県政の各分野において中山間振興を念頭に置いた取組を進めています。 県土の約9割、人口の約4割を占めます中山間地域の抜本強化をさらに進めていくために、令和3年度には10年ぶりに集落実態調査を行いました。その調査結果では、県全体を上回るスピードで人口減少や高齢化が進んでおり、将来の集落維持に不安がある、農林業など基幹産業の衰退とともに地域の担い手不足など厳しい現状があるとしながらも、これからも住み慣れた地域で暮らしていきたいと希望する方々が多くいました。 これまで県では、中山間振興策として、第1層に、産業分野ごとに基幹となる産業を育成する第1次産業を中心とした産業成長戦略、第2層に、成長戦略や地域からの発案を地域で具体化する取組の、地域資源を生かした地域アクションプラン、第3層に、集落機能を支える仕組みづくりで集落活動センターを核とした取組として集落の維持・再生の仕組みづくりを、市町村と連携し様々な支援策を講じているところです。 また、移住・定住対策として、移住・就業ポータルサイトを通じて、仕事、暮らし、住まいの情報を発信、そして移住される方、また移住後に対しても様々な面で支援やフォロー対策など、大幅にバージョンアップすることとし、令和5年度には1,300組の移住者の実現に向けて取組を進めることとしています。 中山間地域では、集落調査の結果にもあったように、過疎化、高齢化による地域の次世代の担い手不足や不在所有者の増加、また農業、林業、漁業などの地域産業の低迷などにより、空き地、空き家、荒廃森林、耕作放棄地が増加しており、県土資源管理水準の低下や美しい景観に毀損を生じる可能性が危惧されています。この状況を改善していくには、いわゆる地域外からの移住を促進してもなかなか難しく、Uターン対策を推進していくことが様々な面の後継者対策につながり、地域の持続化になっていくと考えます。 中山間地域におけるUターンが進んでいない現状をどのように捉えているのか、またその原因はどこにあると考えているのか、中山間振興・交通部長の御所見をお伺いいたします。 Uターン対策は、市町村が力を入れて様々な施策を立てていかなければなりませんけれども、私の村長時代の経験として、様々な支援策を講じようとしても、個々の財産等の支援になるのではということで、思い切った対策ができませんでした。 そこで、県全体の中山間地域の大きな課題でありますUターン対策について、いま一度踏み込んだ施策を県が立案し、市町村と一体となった取組を進めていってはと考えますが、中山間振興・交通部長の御所見をお伺いいたします。 次に、県道の道路整備についてお伺いします。 県内の市町村が活性化し、地域住民の生活や経済が向上して地域が自立していくには、高規格道路と接続する県道等の整備も重要であり、高規格道路の進捗と同時に整備されなければなりません。 「森林鉄道から日本一のゆずロードへ」というストーリーで、高知県では単独で日本遺産に認定をされております中芸地域は、ユズの生産が日本一の地域であり、またモネの庭や清流を生かしたキャンプ場の整備によって交流人口の拡大が進んでいます安田町、馬路村、北川村では、期成同盟会を設立し主要地方道安田東洋線・魚梁瀬公園線の整備促進について各関係機関に要望活動を続けているところです。 県としましても、地域住民の方々に応えるように、様々な交付金等を活用して整備をしているところでありますけれども、急峻な地形で条件が不利な箇所が多く、改良率は20%と極めて低い状況であり、令和5年度以降も積極的に予算を投入し整備していくべきと考えますが、土木部長に御所見をお伺いいたします。 次に、奈半利川清水バイパスの整備についてお伺いいたします。 奈半利川には、発電を目的に、魚梁瀬、久木、平鍋の3つのダムが建設されており、発電のための取水の結果、流水の減少による河川環境の悪化により、観光資源など地域経済への影響や人と川との共生が失われ、流域の自治体や漁業関係者などから県は改善を強く要望されてきました。 県では、その改善策としまして、支川の小川川から清水バイパスにより清水を取水しダム下流に放流させることにより、減水区間の水質の改善や流水の量を増やすことが可能になるなど良好な河川環境の再生が図られるとして、平成28年度から平成33年度までの6年間で事業を完成させるという予定でありました。しかし、管路施設を予定しておりました用地が共有地であったことなど、用地買収が困難となり、当初予定をされていました管路を変更して、工事の再開に向けて準備を進めていると聞いております。 県では、あゆ王国高知振興ビジョンを策定し、アユを食材とするだけではなく多方面に活用して、観光・地域振興に生かすこととしております。去る9月22日に、日本各地のアユを食べ比べる清流めぐり利き鮎会が高知市で3年ぶりに開催され、12都道府県、30河川のアユの中から奈半利川が初のグランプリに輝きました。奈半利川流域の住民、特に北川村の村民にとりましては、今回のグランプリは観光資源など地域経済への期待が高まるものであり、奈半利川の清流対策が急がれているところです。 県が令和4年2月に奈半利川水系ダム検討会で示した清水バイパス整備の今後の計画は、令和5年度までに設計、用地買収を行い、令和6年度から工事に取りかかり、令和9年度に完成をさせるということになっておりますけれども、この計画に変更はないか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、公共工事で発生する建設発生土の有効利用についてお伺いいたします。 県東部では、公共工事に必要な砂利、玉石等が不足している状況であるとお聞きをしております。県が発注する工事において、河川のしゅんせつ工事であれば多くの砂利や玉石等に利用可能な土砂が、またトンネルなどの工事であれば栗石として利用できる岩などが、残土として出てきます。県の規定では、残土の利用はまず1番目に現場内での利用、2番目に一定の範囲内にある国や県、市町村の公共工事での利活用、3番目に有用残土としての売却、そして最後に有効利用ができない場合、指定された残土処分場への搬出となるようです。その3番目の公共工事に伴い発生する有用残土で売却ができるのは、コンクリート骨材用のみとなっております。 公共工事に必要な資材が不足しております東部地域では地域外あるいは県外から購入している状況を考えますと、県が発注しました工事で出た大量の土砂や砂利、岩等を再び公共工事で活用していくということは、SDGsの観点からも大事なことではないかと考えます。 東部地域の現状を把握した上で、地域の実情に応じた建設発生土の有効利用について土木部長の御所見をお伺いいたします。 次に、ICTを活用した工事の普及拡大についてお伺いします。 兵庫県では、生産年齢人口が減少する中、建設分野の生産性向上は喫緊の課題であることから、平成29年度からICT活用工事をスタートしています。対象工種は、河川堆積土砂の撤去や舗装工、のり面工等で、対象工種を含む工事は全てICT活用工事として発注し、普及拡大の姿勢を明示して、受注者のICT導入意欲を喚起しています。また、平成30年度からは継続的に、兵庫県主催で、ICT活用工事に係る3次元データ作成方法やICT機械による施工方法、ICT活用工事における現場課題対応等について研修会を開催し、ICT建設技術者の育成などを行っています。 高知県建設業活性化プランVer.3では、人材確保とデジタル化による生産性向上を柱に改定されており、計画期間を令和3年度から令和5年度までの3年間として取組を行うこととしています。その中で、インフラ分野のDXとして、生産性向上と技術力向上への支援として、ICT技術等に関する研修会を開催し、建設現場での生産性向上や知識の向上を図り、ICT活用工事を普及拡大することになっております。 研修会の内容を含め、何回開催されたのか、また今までのICT工事の発注状況についても併せて土木部長にお伺いいたします。 また、普及啓発のため、ICT測量機器やソフトウエア等の導入に補助を行うことになっておりますけれども、その状況について土木部長にお伺いいたします。 建設業も他業種と同じように、近年、従事者は大きく減少し、高齢化が進む一方、次世代を担う若者の入職者が少ない状況とお聞きをしております。災害発生時、迅速な復旧支援活動に欠かせない建設業関係者の衰退は、近い将来必ず発生すると言われています南海トラフ大地震対策としても重要な課題であると思います。 デジタル技術を活用した工事現場が多くなることで、IT機器を得意とする学生が建設業に関心を持つようになり、建設業への就職を希望する学生が増えてくるのではと考えますが、県内の高校生にどのように情報を発信しているのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、建設工事における総合評価方式についてお伺いします。 県では、時代の流れと状況に応じて、総合評価の項目基準の変更を行っています。令和4年度の改正の概要の中で、地域性・社会性評価項目の中に災害復旧工事の受注状況に応じて令和5年度以降加点されるようになっていますが、災害復旧工事は災害が起こらないと発注することはできませんし、また件数が少ない場合は受注できる業者が限られてしまいます。 災害復旧工事の受注状況を新設した狙いは何なのかを土木部長にお伺いいたします。 また、先ほどICT活用工事の普及拡大で質問をいたしましたが、兵庫県では総合評価の中でICT活用工事を行うことによって加点されるようになっておりますけれども、本県の場合はどのようになっておるのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、公立学校での休日の部活動を地域のスポーツクラブや民間事業者に委ねる地域移行についてお伺いをいたします。近年、教員の働き方改革や少子化の進展で、学校単位による部活動運営が困難になる中、スポーツ庁の有識者会議は、令和7年度までに公立中学校の休日の部活指導を地域に移行する改革を提言し、令和5年度から令和7年度までのこの3年間を改革集中期間に設定しました。これを受けまして、県では、市町村、学校関係者、関係団体などから成る高知県における部活動地域移行検討会議を発足し、地域の実情を踏まえた課題やその対応策の検討を行っていると、9月議会で教育長は述べられました。 中学校の部活動は、学校生活の中で子供の心の支えにもなっています。入学する中学校にスポーツ少年団等で経験してきたスポーツの部活動があるのかないのかでは入学する気持ちも変わってきますし、また部活動の種目の多い私立中学校へ希望する子供も多いと聞いています。 知事は、「再び、濱田が参りました」の意見交換の中で、郡部の小規模校の部活動を地域移行していく場合、市町村の枠を超えて広域での在り方も一つの策ではないかと申されましたが、その可能性について知事にお考えをお伺いいたします。 次に、地域移行をする場合、その受皿となる地域団体や民間事業者などにおいては、災害発生時の避難行動など自然災害への対応、命を守るための救命措置に関する知識の習得、生徒・保護者との適切な関係構築など、考えれば考えるほど多くの課題があり、高知県の郡部の状況を見た場合、地域移行はなかなか難しいようにも思います。 高知市周辺では様々な民間スポーツクラブがあり、専門的な知識を持った人材も多くおられ、組織として受皿となることが可能だと思いますが、郡部の町村ではどのような団体を受皿として考えているのか、教育長にお伺いいたします。 次に、中学校の教員の中には、本人が長く携わったスポーツや音楽など様々な経験を生かして、教師として地域移行後も生徒を指導していきたいと考えている若い先生もおられると思います。また、これから教員を目指す人たちの中にも、自ら指導を行いたいと考えている方もいるのではないかと思います。 この地域移行を検討するに当たって、指導を希望する教員が指導者として指導していくことができる体制をどのように考えているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 また、平日情熱を持って指導されている先生方と地域移行による指導者との指導の違いなどが心配されますけれども、学校と受皿となった団体等との関わりはどのようになっていくのか、教育長にお伺いいたします。 次に、広域での部活動についてお伺いします。近年、少子化による児童生徒数の減少、また専門のスポーツなどを指導する教員の不足により、県内学校に専門教員を配置できていない現状を考えると、部活動は広域で行っていくことがいいのではとも思います。 平日は、専門とする教員がそれぞれほかの学校の教員に指導する内容を連絡し、休日は、専門の教員がいる学校に生徒が一堂に集まり練習を行っていくという方法はどうでしょうか。そうすることで、各学校に専門の教員を配置することなく、また子供たちも他校の生徒との交流が進み、技術の向上、そして何よりも多くの友達ができることにより、楽しい中学校生活になっていくのではと考えます。 スポーツ庁の進める休日の地域移行も分かりますけれども、大規模中学校や小規模中学校、また地域性や受皿、様々な状況から、全国一律に進めていくことは難しいようにも思います。 まず学校間でしっかり連携が取れる広域での部活動からスタートしていくことも一つの方法だと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、農業の振興策についてお伺いします。 県では、産業振興計画の農業分野の取組の柱の一つに、生産力の向上と高付加価値化による産地の強化を掲げ、Next次世代型こうち新施設園芸システムの普及推進を行っているところです。また、平成27年4月には、消費者が正しい情報を得て選択できるように、機能性表示食品制度がスタートいたしました。 高知県農業技術センターや信州大学などの共同研究により、ナスに高血圧改善効果がある成分が豊富に含まれていることが実証され、令和2年9月に機能性表示食品の届出を完了し、令和3年3月からパッケージに、機能性表示食品、高めの血圧が気になる方へと表示して売り出しています。生産農家では、機能性表示食品として認められたことにより高知なすがPRでき、選ばれる産地として、他の産地よりワンランク上のナスとなり、高い価格で取引ができると期待が高まったところです。 去る9月に、私が所属いたします産業振興土木委員会が関西・高知経済連携強化戦略に基づく調査を行った際、大阪中央青果株式会社の常務取締役と、高知県内の関西圏への出荷状況等について意見交換を行いました。 高知県のナスは、出荷量は全国一で、約33%も占めています。JAグループ高知では、県内のナスを高知なすの商品名で機能性表示をして出荷しておりますが、意見交換の中で、他の産地との差別化は図られているのかと伺ったところ、常務取締役からは、機能性表示があるからといって他の産地とそんなに差がつくものではない、全国それぞれのハウス促成栽培されたナスは同じように取り扱われている、価格の差が出るのはやはり出荷量の問題なので、出荷量が少ないときは自然に高い値がつくのが市場の原理であると説明をされまして、少しがっかりしたことでありました。 県は、機能性表示等をされた青果物を今後どのように生かしていくのか、農業振興部長にお伺いいたします。 また、Next次世代型こうち新施設園芸システムでは、IoPクラウドを核としたデータ駆動型農業の推進により収量のアップを図ることになっておりますけれども、例えばナスにおいては、他産地の出荷量の少ない時期に多く出荷するなど、単価が高い時期に収量アップすることが新施設園芸システムではできないか、農業振興部長にお伺いをいたします。 最後に、高知県脱炭素社会の推進についてお伺いをいたします。 県では、2050年カーボンニュートラルの実現と、経済と環境の好循環の創出に向けた具体的な道筋を示す計画として、高知県脱炭素社会推進アクションプランを令和4年3月に策定し、プランの実行に向けて取組を進めているところです。その中で、84の森を生かした再生可能エネルギーの導入促進では、木質バイオマス発電の促進と、加えて幅広い分野での木質バイオマスボイラーの導入促進等で、全体の低質材利用量を、2020年度から2030年度には実に6万2,000立方の低質材が新たに必要とする計画を立てております。 この原料として使用する木材をどのように確保しようと考えているのか、林業振興・環境部長にお伺いします。 次に、熱源として利用される木質バイオマスボイラーの導入についてですが、本県には令和3年度末時点で農業利用を中心に221台が稼働していると伺っております。 今後、さらに導入を進めていくに当たって、どういった用途を想定し、どのくらい導入していく考えなのか、林業振興・環境部長にお伺いをいたします。 次に、現在、木質バイオマス発電事業を行っているのは県内には3か所ありまして、年間燃料使用量は合わせて、低質材の原木として換算しますと約24万立方となります。森林率日本一の県ではありますが、2030年度へ向けて多くの木質バイオマス燃料が必要となり、安定供給を考えると、現在の杉、ヒノキ等の低質材は不足してくるのではと心配するところです。 また、平成24年7月に始まった電力の固定価格買取制度、いわゆるFITですが、これは発電開始から20年で制度の適用期限を迎えることになり、この制度が終わりますと、今と同じような価格で低質材を発電事業者が購入していくということは難しくなるのではと考えます。そのためには、今後の再造林においては、木質燃料対策の一つとして、低コスト、短伐期での収穫が期待できるコウヨウザンなどの早生樹の植林がポイントになってくると考えます。 産業振興計画で、令和7年に再造林の面積を690ヘクタールとする目標を立てていますが、木質バイオマス燃料に特化した早生樹の森林整備についてどのように考えているのか、林業振興・環境部長にお伺いをいたしまして、私の第1問といたします。   (知事濱田省司君登壇) ◎知事(濱田省司君) 上治議員の御質問にお答えをいたします。 まず、令和5年度当初予算編成に当たっての決意についてお尋ねがございました。 足元の経済情勢、社会情勢を見ますと、コロナ禍に加えまして、原材料価格の上昇、円安などによりまして様々な物価の高騰が長期化しており、引き続き事業者の方々などの影響の軽減にしっかりと取り組む必要があります。さらに、中長期的な視点から、省エネルギー、生産性向上といった事業の構造転換を図るための施策を充実させる必要があるというふうに考えております。 その上で、私はこれまでも、アフターコロナ時代の成長の原動力でありますデジタル化、グリーン化、グローバル化の3つの潮流を先取りすることを意識して施策を進めてまいりました。あわせまして、濱田カラーというお話もございましたけれども、大阪府副知事の経験も生かした関西圏との経済連携強化、本県発展の源であります中山間地域の振興、そして少子高齢化を見据えた日本一の健康長寿県づくりなどに注力をしてまいったところでございます。 来年度に向けましては、こうした取組がしっかりと軌道に乗りますように、成果にこだわりながら、各施策をさらに進化させたいと考えております。また、こうした施策に重点的に予算を配分いたしますため、今年度の当初予算から次世代施策推進枠を新設しておりまして、来年度は国庫補助金の活用を促す工夫も行っているところであります。国の有利な財源を最大限に活用しながら、めり張りのついた予算配分を行うことによりまして、県勢浮揚と県財政の持続可能性の両立を図ってまいります。 知事就任以来、県政運営の基本姿勢であります共感と前進の実現に向けまして、県民座談会「濱田が参りました」を県内各地で開催いたしております。その中で、地域の皆さんが創意工夫を凝らして頑張っておられる姿に直接触れることができまして、私自身、大いに感銘を受けますとともに、現場の声を県政に生かすよう努めてまいったところであります。 来年度の当初予算編成に当たりましては、こうして把握をいたしました地域地域の実情も踏まえながら、未来への弾みをつける、そんな予算となりますように全力で取り組みたいと考えております。 次に、県東部の高規格道路の整備促進への決意はどうか、お尋ねがございました。 四国8の字ネットワークは、御指摘もありましたように、地域産業の活性化、観光振興を下支えする社会基盤といたしまして、また南海トラフ地震などの大規模災害発生時におきます円滑な救援活動、緊急物資の輸送を可能といたします命の道として、大変重要な役割を担うこととなります。このため本県におきましては、四国8の字ネットワークの整備促進を最重要の政策課題の一つとして位置づけまして、早期完成を目指し、ミッシングリンクを抱える他県とも連携をしながら、国などに対して政策提言を行ってまいっております。 その結果、県東部地域では本年度、阿南安芸自動車道の安田-安芸間が新規の事業化をされました。また、令和7年の春頃には、高知東部自動車道の高知龍馬空港-香南のいち間の開通が予定されているなど、着実に整備が進捗をしておるところであります。 しかしながら、いまだ奈半利-安田間が事業化に至っておりません。また、東部地域での実際に開通に至りました整備率は3割程度にとどまるということを踏まえますと、整備促進に向けましてさらなるスピードアップが必要だというふうに考えております。また、御指摘もありましたように、関西圏の経済活力を本県に取り込んでいく、そして本県と関西圏との間で効率的で安定した人流、物流を確保していくというためにも、東部地域の高規格道路の早期整備は大変重要な意味を持ちます。 現在、国におきましては、高規格道路のミッシングリンク解消に向けて、通常の予算に加えまして、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の予算も活用いたしまして整備を推進しているところであります。 本年10月には、私自身、全国高速道路建設協議会の副会長という立場で首相官邸へ直接足を運びまして、3年目となります5か年加速化対策に必要な予算、財源を例年以上の規模で確保するようにということを強く訴えてまいったところでございます。あわせまして、この財源の裏づけとなります第2次補正予算案を速やかに成立させるように、重ねて訴えてまいりました。 この結果、今月2日、昨年度を上回る早さで、5か年加速化対策に係ります補正予算成立の運びとなりました。本県の東部地域の8の字関連事業に対しましても十分な予算配分をいただきましたので、整備の加速化に向けまして大きな後押しとなると考えます。 今後も、残る未事業化区間の早期の事業化、そして事業中区間の早期の完成に向けて、経済団体、沿線自治体などとも連携をいたしまして、引き続き国などに対しましてこの必要性を示しながら、強く働きかけを続けてまいります。加えまして、5か年加速化対策後におきましても、国土強靱化に必要な予算、財源を通常予算とは別枠で確保し継続的に取り組んでいかれますように、あらゆる機会を通じて声を上げてまいる考えであります。 最後に、郡部中山間地域におきます小規模校の部活動の地域移行についてお尋ねがございました。 近年、少子化の進展に伴います生徒数の減少によりまして、学校によっては部活動の継続が厳しい状況になりつつあるというふうに認識をいたしております。こうした中にありましても、できる限り子供たちが希望するスポーツあるいは文化活動を持続的に行える環境を整えるということが大切だと考えております。国が示しております学校部活動の地域移行につきましては、その対応策の一つだというふうに捉えているところであります。 しかしながら、部活動の地域移行を進めるに当たりましては、受皿となります団体や指導者の確保など、課題も多くあるというふうに考えられます。特に、御指摘もありましたように、中山間地域の小規模自治体におきましては、こうした課題の解決には困難が伴うということが想定をされると存じます。このため、市町村の垣根を越えまして広域的に子供たちの活動機会あるいは選択肢を広げていくという取組も検討の対象としていく必要があると考えております。 県といたしましては、まずは各市町村におきまして、それぞれの実情に応じました部活動の在り方などを地域の皆さんと共に御議論いただくということが第1段階として重要であると考えております。その上で、御指摘がございました広域的な対応も含めまして、県として必要な支援を検討し、実行に移してまいる考えであります。 私からは以上であります。   (中山間振興・交通部長中村剛君登壇) ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) まず、中山間地域でUターンが進んでいない現状とその原因についてお尋ねがございました。 御指摘のように、移住者の中でも、本県にゆかりのあるUターンは、地域の暮らしや生活になじみがあり地域に溶け込みやすいことから、集落活動や地域の産業の後継者としても活躍が期待されるところでございます。県としましても、移住促進・人材確保センターを中心に、市町村はもとより県人会や同窓会等とも連携して、Uターンに関する情報発信などを行っております。 しかしながら、他県の状況と比較しますと、例えば鳥取県や島根県では全移住者数に占めるUターンの割合は5割を超えておりますが、本県では、県の相談窓口を通じて移住された方に限った実績ではありますが、その割合は3割にとどまっております。 Uターンが進んでいない要因としましては、まず就職の際に仕事の種類も多く給料や待遇など労働条件もよい都市部を選択し、そのまま定住に至るといったあらがい難い大きな人口流出の構図に対して、特に中山間地域のように過疎・高齢化が進んだ地域においてはこれをやむなしと考え、結果的にUターンの取組強化が遅れたこと。また、取組を強化しようとする県さらには市町村においても県外に転出した出身者の把握が十分できないために、Uターンに関する情報を的確に届けられていないこと。加えまして、Uターンに関する情報発信の際の県と市町村との連携が十分でなく、相乗効果を生むまでに至っていないことなどが考えられます。この結果、例えば県出身の方がUターンをしようと思っても、相談できる窓口があることを知らない、あるいは県内にも様々な仕事があることなども知られていないという状況にあるのではないかと考えております。 次に、Uターン対策について踏み込んだ施策を県が立案し、市町村と一体となった取組を進めてはどうかとのお尋ねがございました。 低位にあるUターン者を増やしていくためには、従来よりさらに踏み込んだ施策を展開していく必要があると考えております。このため、来年度に向けましては、まず県出身者の把握に新たな手法を取り入れたいと考えております。 具体的には、居住地域や年代、興味関心などのビッグデータを基に、県出身者と思われる方を特定して情報を提供するデジタルマーケティングの活用を検討しております。これによりまして、相談窓口や仕事の情報を、これまで接触できなかった県出身者にも提供できるようになり、また仕事はもとより子育て支援策や地域貢献の場があることなど、Uターンを考える方の関心事に応じた的確な情報発信が可能になるものと考えております。あわせまして、県内に残る御家族、御友人からもUターンを呼びかけてもらえるよう、新たなキャンペーンの実施などにより、県全体でのUターンの機運を高めてまいりたいと考えております。 また、御指摘のように、Uターン促進には市町村の取組が不可欠でございます。県も一体となってその取組を推進、支援することが大変重要であり、このため例えばUターンした方の引っ越し経費や奨学金返還に対する補助を行うなど意欲的な市町村の取組、これを広く他の市町村にも紹介し、Uターン促進策を一層充実するように働きかけるとともに、県におきましても、市町村の取組を補助金などにより可能な限り支援していきたいと考えております。 中山間地域の担い手確保に向けまして、こうした施策を早急に講じ、少しでも早く成果が得られるよう、市町村と一体となって取り組んでまいります。   (土木部長荻野宏之君登壇) ◎土木部長(荻野宏之君) まず、主要地方道安田東洋線・魚梁瀬公園線の整備促進に積極的に予算を投入し整備していくことについてお尋ねがございました。 安田東洋線と魚梁瀬公園線は、地域にとって唯一の生活道路であるとともに、木材やユズ等の1次産業や中芸地域の観光産業を支える重要な路線です。しかし、両路線は、山側の斜面が急峻なため、大雨の際に崩壊や落石が発生するおそれがあることから、事前に通行規制を行う区間が大半を占めております。また、安田東洋線では、平成29年に馬路村平瀬地区において崩壊や落石が繰り返し発生し、長期間にわたって全面通行止めとなりました。 このようなことから、県では、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」予算を積極的に活用しながら整備を進めてきており、その結果、安田東洋線では本年2月に明神口トンネルが完成し、一定区間の安全な通行が確保できました。現在も引き続き積極的に予算を投入しており、安田町、馬路村、北川村において複数の箇所で道路改良や落石対策を進めております。また、魚梁瀬公園線では、大規模地震の際に集落の孤立が想定されることから、ダム湖に架かるつり橋である魚梁瀬大橋の耐震対策を進めております。 今後も引き続き、5か年加速化対策予算を積極的に活用しながら、両路線の道路整備に取り組んでまいります。 次に、奈半利川水系ダム検討会で示した整備計画に変更がないかとのお尋ねがございました。 奈半利川では、平鍋ダム下流の河川環境改善を目的に、支川の小川川から良好な水質の水を取水しダム下流に放流する清水バイパス事業を行っております。 これまで、小川川の水を平鍋ダム下流まで運ぶ管路について、様々な計画ルートを検討してまいりましたが、どのルートにおきましても、相続者が100名を超える共有地が複数箇所で存在し、用地買収が非常に困難であることが判明いたしました。そこで、ダムを管理する共同事業者の電源開発株式会社と協議を行い、同社が所有する平鍋ダム湖の土地など、用地買収の必要がない土地に管路を設置するよう、計画の変更を検討しているところです。 この変更計画では、当初の予定より急勾配となる区間が生じることから、管路を支える台座の設置などが追加となるため、令和4年2月に奈半利川水系ダム検討会でお示しした完成時期は変更する必要があると考えております。県といたしましては、来年1月に開催予定の奈半利川水利対策協議会におきまして今後の計画をお示しできるよう、関係者と協議を進めてまいります。 次に、東部地域の現状を把握した上で、地域の実情に応じて建設発生土を有効利用することについてお尋ねがございました。 公共工事で使用する砂利や玉石等の石材につきましては、東部地域の安芸市周辺では生産する事業者がいないため、地域外から調達している状況にあります。 一方、公共工事により発生する建設発生土につきましては、処理方法の優先順位を定めて、他の公共工事への利用や有用残土として売却するなど、有効利用に取り組んでいるところでございます。その中で、有用残土として売却できる建設発生土は、県の要領において、コンクリート用骨材としての土砂や玉石に限定しているところです。 建設発生土を有効利用することはSDGsの観点からも重要でありますことから、引き続き地域の実情を把握し、国や他県の情報収集を行いながら、売却方法も含めた建設発生土のさらなる有効利用について研究してまいります。 次に、ICT技術などに関する研修会の内容と開催状況、またICT活用工事の発注状況についてお尋ねがございました。 土木部では、建設現場における生産性向上を目的に、平成29年度からICT活用工事を発注しており、平成30年度からは業界関係者に対しまして実技研修なども実施しているところでございます。 研修会の内容と開催状況につきましては、現場技術者を対象とした3次元設計データの作成やICT技術を活用した測量などの実技研修を令和3年度に4回、令和4年度に7回開催し、約250名の参加がございました。また、経営者を対象としたICT技術の勉強会や先進的に取り組まれている建設会社との意見交換会を令和3年度に4回、令和4年度に2回開催し、約230名の参加がございました。 発注状況につきましては、令和3年度は、ICTの活用を受注者に義務づけている工事を5件、活用を任意としている工事を320件、合わせて325件発注し、そのうち77件の工事でICTが活用されております。また、令和4年度は、対象工事を大幅に拡大したことから、12月現在の実施件数は115件と、昨年度の同時期と比較して2倍以上となっており、順調に増加しているところでございます。 次に、普及拡大に向けたICT測量機器やソフトウエアなどの導入に対する補助の状況についてお尋ねがございました。 土木部では、建設分野のデジタル化を促進するため、昨年度から県内の建設事業者を対象に、ICT測量機器やソフトウエア等の導入経費を補助する高知県建設業デジタル化促進モデル事業を実施しております。昨年度は、ICT活用工事の未経験者を対象としたチャレンジコースでは39件の申請に対して16件の補助を、経験者を対象としたステップアップコースでは14件の申請に対しまして6件の補助を行いました。 本年度につきましては、業界全体のデジタル化を底上げするため、ICT活用の経験の有無に関わらず、経営規模の小さい建設事業者を優先して補助することとしており、35件の申請に対しまして26件の補助を行っております。 本事業により補助を受けた建設事業者の成功事例を、現場見学会を通じて他の建設事業者に紹介し学んでいただくことで、ICT活用工事の理解促進と県内全域への横展開を進めてまいります。 次に、県内の高校生への情報発信についてお尋ねがございました。 土木部では、本年2月に改定した建設業活性化プランの柱の一つに人材確保策の強化を掲げ、高校生にも建設業の果たす社会的役割の重要性やデジタル技術の活用などを理解してもらえるよう、学校への出前授業を行っているところです。 加えまして、普通科も含む高校生の方を対象に、保護者も参加可能な現場見学会を開催しております。昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、安芸地区のみでの開催となりましたが、今年度は安芸地区に加え、高知地区、幡多地区の3地区で開催し、3地区合わせまして生徒21名、保護者3名、教員2名の合計26名の参加がございました。 現場見学会の開催に当たりましては、デジタル化が進む建設現場を知っていただけるよう、ICTを活用した工事現場を選定し、生徒たちがデジタル化の進む建設現場の現状を肌で感じることができる内容としております。そうしたことで、現場見学会に参加いただいた保護者の方からも、ICTの技術により、きつい、汚い、危険といった3Kを感じなくなったでありますとか、土木業界のイメージが変わったという感想をいただいております。 今後も、建設業を職業選択の有力な候補として検討いただけますよう、保護者も参加可能な現場見学会を、開催地区を増やしながら開催するとともに、SNSなどを通じた情報発信などにも積極的に取り組んでまいります。 次に、総合評価の項目に災害復旧工事の受注状況を新設することについてお尋ねがございました。 近年頻発・激甚化する自然災害に対応していくためには、建設事業者の皆様に地域の守り手としての役割を今後も継続して果たしていただくことが大変重要です。このため、災害からの円滑な復旧と地域防災力の強化につなげることを目的として、令和5年度の総合評価から、災害復旧工事の受注状況に応じて加点ができる項目を追加することとしております。この評価項目は、平成26年豪雨、30年豪雨レベルの災害が発生した場合にのみ適用することを想定しており、土木事務所管内ごとに災害の発生状況に応じて適用するか否かを選択できることとしております。 通常の工事を受注しながらも、地域を守り、災害の早期復旧に取り組んでいただいております建設事業者を評価することで、入札の不調、不落の防止対策にもつなげていけるよう、適切な運用に努めてまいります。 最後に、ICT活用工事を総合評価で加点することについてお尋ねがございました。 土木部では、平成29年度から工事へのICTの活用を進めてきたところですが、これまでは対象工事の発注が少なく、実施件数も少なかったため、総合評価の評価項目としての加点は行っておりませんでした。しかし、ここ数年は対象工事を拡大していることから、建設事業者の皆様がICTの活用に取り組みやすい環境となっており、今後も実施件数は増加していくものと考えてございます。 こうしたことから、入札の公平性を確保しつつ、ICTを活用した建設現場のデジタル化を推進していけるよう、建設業界の御意見や他県の状況なども参考にしながら、総合評価における加点について検討してまいります。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) 部活動の地域移行につきまして、まず郡部の町村ではどのような団体を受皿として考えているのかとのお尋ねがございました。 部活動の地域移行の受皿としましては、まず総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団、文化芸術団体などが一般的に考えられるところです。しかしながら、郡部の町村をはじめとして、地域によってはこうした受皿が十分に整っていないことが想定されます。 このため、まず町村においては、地域学校協働本部や保護者会など地域の御協力も得ながら、受皿づくりの可能性を探っていただくことが必要であると考えております。その上で、そうしたことが困難な場合には、近隣の市町村で活動している団体との連携など、市町村の枠を超えた対応を検討していく必要があると考えております。 県としましては、それぞれの地域の実情を踏まえて、必要な支援を行ってまいります。 次に、地域移行後に指導を希望する教員への対応についてお尋ねがございました。 部活動を地域クラブなどに移行する場合にも、当該地域クラブなどでの指導を希望する教員は一定数いるものと考えております。そうした場合には、教育公務員特例法に基づく兼職兼業の申請に基づいて許可を与えるという対応が考えられます。現在、国が策定作業を進めております、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインの案の中にも、その趣旨が示されております。 今後、国は、ガイドラインに加え、兼職兼業に関する手引も示すとしておりまして、県教育委員会としましては、それらを踏まえて、地域クラブなどでの指導を希望する教員が円滑に兼職兼業の許可を得られるよう準備を進めてまいります。 次に、学校と地域移行後の受皿となった団体などとの関わりについてお尋ねがございました。 部活動の地域移行はまず休日から始めるとされており、平日に指導する教員と休日の指導者との指導方針や方法の違いによって子供たちに混乱が生じないようにすることが大切であると考えております。 そのため、まずこれまで学校部活動が担ってきた教育的意義について、学校と受皿団体との間で十分に共通理解を図っていくことが重要であると考えております。その上で、指導者同士が意思の疎通を図り、活動方針や指導内容、スケジュールなどにつきまして綿密に打合せを行い、共有することが必要と考えております。 県教育委員会としましては、保護者をはじめとした関係者全員が共通理解を図るために、協議や打合せなどを行う仕組みをしっかりと整えるよう、部活動の地域移行に関する手引を作成するなど、市町村を支援してまいります。 最後に、学校間が連携した広域の部活動からスタートしていくことについてお尋ねがございました。 市町村や学校の実情によっては、受皿となる団体や指導者の確保などの体制整備に困難な点があったり時間がかかったりする場合もあると思われます。そうした中でも子供たちのスポーツ・文化活動の機会を確保するためには、議員の御提案のように、広域での部活動から始めることも一つの有効な方法であるというふうに考えております。 先ほど申し上げました国のガイドラインの案におきましても、複数校の生徒が一つの学校に集まって部活動を行ういわゆる拠点校方式による合同部活動も導入しながら、生徒の活動環境を確保するといった事例も示されております。 教育委員会としましては、まず各市町村において地域の実情を踏まえた部活動の在り方を議論していただき、その中でこの広域での部活動の方式もお知らせをしてまいります。その上で、こうしたことに取り組む際には、市町村間の調整など必要な支援を行ってまいります。   (農業振興部長杉村充孝君登壇) ◎農業振興部長(杉村充孝君) まず、青果物における機能性表示などの生かし方についてお尋ねがございました。 ナスにつきましては、お話にありましたように、多くが市場で取引されており、その価格は主に需要と供給のバランスに左右されること、また日常的に食される食材であり、消費者も価格の動きに敏感であることなどから、機能性表示を価格アップにつなげることは容易でないと考えております。 そのため、機能性の活用に当たっては、少し時間がかかりますが、まずは高知なすの機能性を市場や消費者の皆様に広く認知していただき、消費量や新たな販路を拡大することで需要の拡大を図り、価格のアップにつなげていくという考えの下、JAや産地と一体となって取り組んでおります。 具体的には、三山ひろしさんを高知なすの宣伝隊長として起用し、メディアへの露出や高知フェアでのPRなどを精力的に行っております。また、機能性表示の登録を契機に、産地自らが高知なすの機能性や調理方法などを直接紹介したり、県内の飲食店がナス料理を開発し、フェアを実施するなど、県内でも盛り上がりが見られているところであります。こうした取組を通じて機能性の認知度が徐々に浸透しており、家庭への食材の宅配事業者や医療機関向けの冷凍食品販売会社などの目に留まり、新たな販路が広がってきております。 また、ナスの機能性に続く取組として、現在ニラやシシトウ、ショウガなどに含まれるビタミンなどの栄養成分の分析を進めており、今後、栄養機能食品としての販売も計画しております。 今後も引き続き、機能性などの認知度向上に向け、官民挙げて取り組んでいくとともに、消費が拡大しております調理冷凍食品などの加工業務筋への提案も積極的に進めてまいります。 次に、ナスにおける単価の高い時期に合わせた収量アップの取組についてお尋ねがございました。 本県の施設ナスは、8月から9月に植付けを行い、10月から6月までほぼ毎日収穫・出荷されております。農家の所得向上に向けては、他産地の出荷量が減少し高単価となる12月から3月にかけて、より多くの収量を毎日継続的に確保することが重要となります。 しかしながら、この時期は日照時間が短く、気温も低くなるため、植物の勢いが弱まり、花や実の数が少なくなることで収量が減少する傾向にあります。一方で、ハウス内の環境を測定し、そのデータに基づき栽培環境を調整することで、12月から3月にかけて高い収量を実現している農家もおられますので、県としましては、このノウハウを広く波及させていきたいと考えております。 現在、生産現場における様々なデータをIoPクラウドに集積し、それらのデータを分析、診断して栽培管理に生かすデータ駆動型農業の取組を、JAと連携して推進しているところでございます。このデータを活用することで、農家は過去の栽培管理の振り返りや高い収量を実現している農家との比較などが容易にできるようになります。また、単価の高い時期の収量確保につなげる日々の栽培管理について、県やJAの指導員からきめ細かな栽培指導を受けることも可能となります。 このため、今後このデータ駆動型農業の実践に必要な環境測定装置の導入促進と併せて、各農業振興センターやJAにおいてデータに基づく適切な栽培指導による伴走支援を徹底し、単価の高い時期の収量アップを実現してまいります。   (林業振興・環境部長豊永大五君登壇) ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) まず、木質バイオマスボイラーの導入促進などで必要な木材の確保についてお尋ねがございました。 議員御指摘のとおり、脱炭素社会推進アクションプランにおいては、豊富な資源を生かした再生可能エネルギーの導入を促進するため、幅広い分野で木質バイオマスボイラーの活用を進めることとしています。そのためにも、燃料の木質ペレットとして利用の増加が見込まれる低質材の供給は重要な課題と考えています。 この低質材は、建築用材などに使われる原木と一体となって生産されることから、その量を確保していく上でも、原木生産の拡大を進めることが重要となってまいります。このため、先端林業機械の実証をはじめ、原木生産の現場における作業の効率化や担い手の育成、製材工場における加工力の強化など、各種の施策に取り組んでいるところでございます。 一方で、低質材については、現地の条件などにより、林内から搬出されにくいことが課題となっています。このため、間伐の際の低質材を含めた搬出への支援や、皆伐後に再造林を行う場合の低質材の搬出に対して支援をしています。加えて、さらなる低質材の供給には、枝なども含めた効率的な搬出も必要となりますことから、林内で枝などの低質材を粉砕できる移動式チッパーの活用などの実証も進めており、効果的な事例を県内に普及することにしています。 こうした取組により、森林資源を余すことなく活用することで、木質バイオマスボイラーの原料として使用する低質材の確保につなげてまいります。 次に、木質バイオマスボイラーをどのような用途でどのくらい導入していくのかということについてお尋ねがございました。 本県では、これまで主に農業分野において木質バイオマスボイラーの導入を積極的に進めてきました結果、稼働数は令和3年度末には221台まで増加をしています。一方、木質バイオマスボイラーの燃料に用いられる木質ペレットについては、現状では県内工場の生産能力に余力があるものの、木質ペレットの約8割が農業利用であることから、需要が冬場に集中している状況です。このため、今後は、農業用に加えて、温泉施設や福祉施設のように通年利用する木質バイオマスボイラーを導入していくことが必要であると考えています。 本年度からは、環境省の事業を活用して、5か年計画で木質バイオマスボイラーの新規導入及び更新を進めております。この事業では、令和8年度末までに新規導入11台を含めた66台を導入する計画となっておりますが、農業以外の用途も含めたさらなる木質バイオマスボイラーの導入に取り組んでまいります。 最後に、木質バイオマス燃料に特化した早生樹の森林整備についてお尋ねがございました。 コウヨウザンなど成長に優れる早生樹は、植栽後20年ほどの短い伐期での収穫が期待できます。また、伐採後に切り株から発芽する萌芽更新による成長も期待ができますことから、森林整備の低コスト化につながるものと認識しております。 こうしたことから、山口県などでは、木質バイオマス燃料に特化した森林整備を進めるため、早生樹であるコウヨウザンの植栽を試験的に行うとともに、その施業体系の確立について研究が進められております。本県におきましても、県立森林技術センターでコウヨウザンの燃焼試験や成長調査といった研究を行っており、それらの報告等を基に、早生樹の木質バイオマス燃料としての有効性を確認するための研究会を立ち上げた事業者の方もおられます。 今後は、先進県の情報収集を行いながら、研究会を立ち上げられた事業者などとも連携をいたしまして、低コストな施業体系や効率的な生産方法、適地の選定など、木質バイオマス燃料としての利用を視野に入れた森づくりの研究を進めてまいります。 ◆4番(上治堂司君) それぞれに丁寧な前向きな御答弁をありがとうございました。濱田知事からは、令和5年度、濱田カラーを出して、成果にこだわって、そして未来へ弾みをつけていきたいという心強い答弁があったところでありますが、ぜひ任期の最後を締めていただいて、次へ向けて生かしていただければというふうに思います。 第2問はいたしませんけれども、公立中学校での休日の部活動を地域移行するということに当たっては、高知県は御案内のとおり小規模校が大変多い現状であると思います。地域移行をすることによって、今、少子化で大変子供の数が郡部は少ないわけですが、さらにこの地域移行で、子供たちが、あるいは高知市内の私立学校、あるいは大きい学校に行くというふうになってしまうと、これは全くこの地域移行の意味もなくなるし、学校のそれぞれの町村の存続にも関わってきます。また、そのことで、地域にとっては活性化も失われていきます。 どうか地域移行をすることによって、教員、地域、そして何よりも子供たちがよかったと思えるように、ぜひ検討会議で十分議論していただいて、高知県版の地域移行になるようにお願いをいたしまして、私の一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明14日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後4時13分散会...